【教養試験】公務員試験の科目【合格ラインは意外と簡単に超えられます】

いつも当ブログ(masablog)をご覧いただきありがとうございます。資格についての情報を発信しているブログになりますので、参考にしていただけましたら幸いです。

さて、今回は「公務員試験の教養試験」についての記事になります。

これから公務員試験の教養試験の勉強を始めようと思ってるんだけど、科目数が多すぎて何から始めればいいかわからない!

といった方向けに、教養試験の「科目別の重要度」や「合格するための得点の目安」を解説していきます。具体的には以下の疑問が解消できます。

  • 公務員試験の教養試験ってどんな科目が出題されるの?
  • 重要な科目はどれ?
  • 何から勉強を始めればいいの?
  • どのくらい得点できるようにすれば合格できるの?

この記事を読んでいただくと、「具体的にどの科目をどのくらい得点すれば合格点に乗るのか」がはっきりイメージできるようになるかと思います!ぜひ最後までお付き合いください。

それでは簡単に自己紹介を挟みつつ、本題に入っていきますね。

簡単に自己紹介

  • この記事を書いている僕は、29歳のときに国家公務員一般職の試験に合格し、地方出先機関で5年間働きました。
  • 公務員受験生時代は予備校にも通い、働きながら勉強していました。
  • そのときの経験をもとに記事を書いているので、これから受験する方々の参考になるようなリアルな情報をお伝えできるかと思います。

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目次

そもそも公務員試験の教養試験とは…

まずはそもそも公務員試験の教養試験がどんなものなのかを説明していきます。

公務員試験の一次試験では、筆記試験が課されます。この筆記試験には2種類がありまして、以下の通りです。

  • 教養試験(教養科目・基礎能力試験ともいう)
  • 専門試験(専門科目ともいう)

このうち教養試験は、その名のとおり一般的な教養が身についているかが問われる試験です。

受験する公務員試験によって難易度が異なりますが、基本的には高校レベルの知識+αで解ける問題が出題されます。時事問題も出題されます。

教養試験の出題形式は?

続いて教養試験の出題形式を見ていきましょう。ポイントは以下の3つです。

  • 五肢択一式で出題されるのが一般的
  • 一般知能と一般知識の2分野がある
  • 全ての問題に回答しないパターンもある

順番に説明していきますね。

五肢択一式で出題されるのが一般的

回答方法は基本的に五肢択一式となっています。適当に回答しても5分の1の確率で正解が拾えるということになりますね。

難しい問題が出題されたとしても、確実に間違っている選択肢をいくつか排除できるだけで正解の可能性を高めることができます。

一般知能と一般知識の2分野がある

教養試験は、思考力や読解力が必要な「一般知能分野」と、知識の有無を問われる「一般知識分野」の2つに分類されます。

  • 一般知能
    数的処理・文章理解
  • 一般知識
    人文科学・自然科学・社会科学

それぞれ上記の科目が出題されます。後ほど、これらの科目をさらに細かく分類して出題数などを見ていきます。

ここでは、一般知能と一般知識の2分野が出題されて、その合計得点が教養試験の得点になるということを覚えておいてください。

全ての問題に回答しないパターンもある

公務員試験の教養試験には多くの問題が出題されますが、必ずしもその全ての問題に回答しなければいけないわけではありません。解ける問題を自分で選択して回答するパターンもあります。

例えば以下のような感じですね。

  • 東京特別区(23区)
    48問出題、40問選択回答
    ①一般知能(28問必須回答)
    ②一般知識(20問出題12問選択回答)

特別区の試験は一般知識分野で選択回答方式が採られています。自分の専門分野の知識が問われている問題をチョイスして回答していくことになります。

教養試験の出題数は?

出題数は受験する試験種や自治体により異なります。例えば以下の通りです。

国家総合職30問(令和5年度までは40問)
国家一般職30問(令和5年度までは40問)
東京都(1類B)40問
地方上級(全国型)50問

国家総合職や国家一般職では30問、東京都(1類B)は40問、地方上級(全国型)は50問です。

国家公務員試験は試験の出題数見直しの関係で、令和6年度試験より問題数が10問減りました。

もちろん問題数が多いところは制限時間も長いので、「問題数が多い=スピードが求められる」というわけではないです。

とはいえどの試験も大体1問あたり3分ちょっとの時間で回答していかないと解ききれません。かなりスピードが求められるので、過去問などを使って事前にスピード感を確認しておいた方が良いですね。

教養試験は何割取れば合格できる?

そして気になる合格ラインですが、「おおむね6割」と言われています。

公務員試験の具体的な合格ボーダーについては「公務員試験のボーダーライン【教養6割、専門7割でギリギリ】」で詳しくまとめているので、気になる方はこちらをチェックしてみてください。

教養試験の出題科目は?

出題科目については、先ほど以下の表を紹介しました。

  • 一般知能
    数的処理・文章理解
  • 一般知識
    人文科学・自然科学・社会科学

もう少し細かく分類していきます。

  • 数的処理
    →判断推理、数的推理、資料解釈、空間把握
  • 文章理解
    →英文、現代文、古文、漢文
  • 人文科学
    →文芸、思想、日本史、世界史、地理
  • 自然科学
    →数学、物理、化学、生物、地学
  • 社会科学
    →法律、政治、経済、時事、社会事情

かなり多くの科目が出題されていることがわかりますね。例えば令和5年度の国家一般職と地方上級(全国型)だと、出題の内訳は以下の通りです。

科目国家一般職地方上級(全国型)
判断推理810
数的推理56
空間把握31
英文55
現代文63
数学1
物理11
化学12
生物12
地学1
思想1
日本史12
世界史12
地理12
法律・政治24
経済12
時事・社会事情36
合計4050

先ほども説明しましたが、国家公務員試験は令和6年度より教養試験の出題数が見直され、30問になりました。上記の表は令和5年度の内訳なので、その点だけ注意してください。

教養試験を効率良く対策するには?

さて、ここまでで教養試験がどんな試験なのかはある程度お分かりいただけたかと思います。

ではこれだけ多くの科目が出題される中で、果たしてどの科目から手をつけていくべきなのか…

教養試験を効率良く対策するためのポイントとしては以下になります。

  • 出題数の多い、数的処理から手をつける。
  • 文章理解の対策はほどほどに。
  • 直前期は時事対策をやる。
  • その他の科目は深追いしすぎない。

まずは出題数の多い数的処理から勉強をスタートさせましょう。先ほどの出題内訳の表からも分かるとおり、教養試験の半分近い問題数を数的処理が占めています。この科目を捨てたら合格できません。最重要科目なので、まずはここから片付けていきましょう。

次に出題数が多いのは文章理解です。数的処理の対策がひと段落したらここに手をつけるべきですね。とはいえ現代文や英文を今からみっちり勉強するのは、正直時間がもったいないかなと思います。ある程度問題の傾向が掴めてきたら、次に進むと良いでしょう。

そして直前期には、時事対策ですね。時事問題も出題数が多めです。国家公務員試験は教養試験の出題数見直しの関係で、令和6年度試験より時事問題からの出題がさらに増えます。しっかり対策をすれば得点が稼げる分野でもあるので、直前期は時事対策を必ずやりましょう。

最後にその他の科目についてですが、これはあまり深追いしすぎない方が良いです。例えば日本史という科目がありますが、ものすごく範囲が広いにも関わらず出題数が1〜2問程度です。かなりコスパが悪いですね。ここを深追いし過ぎると、時間だけが過ぎ去ってあまり得点が伸ばせない、という最悪の事態につながるので、注意してください。

教養試験の合格ラインに乗せるイメージ

先ほども説明した通り、公務員試験の教養試験の合格ラインは6割です。この数字を見て「きついな…」と感じてしまった方もいらっしゃるかと思います。

ですがこの記事のタイトルにもあるように、合格ラインは意外と簡単に超えられます。以下で具体的にどの科目をどの程度得点すれば合格ラインに乗せられるのかを解説していきます。

問題数が40問であると仮定して、科目ごとの重要度と目標点を見ていきます。

数的処理 16問前後出題 11点目標

  • 数的推理 重要度★★★
  • 判断推理 重要度★★★
  • 空間把握 重要度★★★
  • 資料解釈 重要度★★★

数的処理はその名の通り、「数学的な思考力」を使って解いていく問題です。出題数は16問前後なので、全体の半分近い割合を占めている最重要科目です。

公務員試験の受験生は文系の人がほとんどなので、多くの受験生にとって鬼門となる分野となります。出題数が多いため、捨てるわけにもいかない厄介な科目ですね。

といっても、数学のように方程式を立てたりして解く問題は数的推理くらいなもので、そのほかは数学が苦手な人でも慣れれば解ける問題かなと思います。

  • 数的推理は「確率」や「旅人算」などが出題されます。一番数学に近い科目です。文系の方はここが一番苦戦するかもしれません。
  • 判断推理は「証言をもとに嘘つきを当てる問題」や「席の並び順を当てる問題」などが出題されるので、順序立てて選択肢を絞っていくことで答えが導けます。クイズみたいなものだと思ってください。
  • 空間把握はその名の通り図形の問題ですね。これもパターンが大体決まっています。過去問を解きまくればなんとかなります。
  • 資料解釈は、グラフや表などを読み取って正しい選択肢を選ぶ問題です。これも難しい数学の知識は全く使わないので、慣れれば余裕です。

過去問をたくさん解いて問題のパターンに慣れていけば、かなり得点できるようになります。ここだけ頑張れば合格にかなり近づくので、全ての力をここに投入するくらいの気持ちで勉強していきましょう

文章理解 11問前後出題 6点目標

  • 現代文 重要度★★★
  • 英文 重要度★★★
  • 古文 重要度★(出題されない場合もある)

文章理解もかなり出題数が多い科目です。

ですが正直、今さらこの分野を本気で勉強するのはもったいないと思います。

日本人なので、現代文はある程度は得点できるでしょうし、英文も今から英単語を覚えていくのも効率が悪すぎます。完璧を目指すなら別ですが、そうでないなら他の科目の勉強に時間を割いた方がいいですね。

ちなみに僕はテキストを1周しただけです。どんな感じで出題されるのかを確認して、基本の解き方だけ頭に入れて終了です。それくらいで十分だと思いますね。

英文なんて意味不明すぎて全部テキトーにマークしましたが、それでも余裕をもって合格できたので、文章理解は「それなり」で大丈夫です。

人文科学 4問前後出題 1点目標

  • 世界史 重要度★
  • 日本史 重要度★
  • 地理 重要度★
  • 思想 重要度★
  • 文学・芸術 重要度★

人文科学については、範囲が広い割に出題数が少なすぎるので、無理して勉強する必要は無いと思います。

例えば世界史。

世界史って言われてもめちゃめちゃ範囲広いですよね。なのに出題されるのは1問か2問。コスパ悪すぎです。

そんなコスパの悪い科目を勉強するなら他にいくらでも大事な科目はあります。今ある知識で得点できる問題を確実に得点するだけでいいでしょう。

最悪全部わからなくても5択です。「確実にこれではないでしょ。」という選択肢をいくつか省ければ、1問くらいは正解できるはずです。

気になるようであればテキストを一周読んでおくくらいでいいと思います。

ちなみに僕は全く勉強しませんでしたね。テキストを1ページも読んでないです。それでもかなり余裕をもって受かりましたよ。

自然科学 3問前後出題 1点目標

  • 数学 重要度★
  • 物理 重要度★
  • 化学 重要度★★
  • 生物 重要度★★
  • 地学 重要度★★

自然科学も出題数が1問ずつくらいなので真面目に勉強しすぎるのはコスパが悪いです。

ですが、中学レベルの問題も多く出題されるので、基本的なところだけでも頭に入れておくのがいいと思います。

自分が読みやすいと感じたテキストを一冊買って、それを2周くらい読んでおけばいいかと思います。化学、生物、地学は暗記で得点できることが多いので、一瞬で答えを拾える問題もあります。

社会科学 6問前後出題 5点目標

  • 法律 重要度★★★
  • 政治 重要度★★★
  • 経済 重要度★★★
  • 社会 重要度★★★

社会科学については捨てずにしっかり勉強しておく必要がありますね。

といっても専門試験の勉強をしている人はそれだけでOKです。出題範囲が被っているので改めて勉強する必要はないですね。

唯一やっておいて欲しいこととしては「時事対策」くらい。直前に「速攻の時事」というテキストを使って固めておけば万全です。速攻の時事については以下の「公務員試験の時事問題の対策【おすすめ勉強法やアプリ・参考書などを紹介】」に内容をまとめているので、気になる方は参考にしてみてください。

反対に、専門試験の勉強をしていない人はしっかり対策しておく必要があります。市販のテキストなどを使って固めておきましょう。専門科目を勉強している人は余裕で得点できてしまうので、ここで得点できないのは致命的すぎますので…

頑張ってください。

これで合格ラインを超えます

というわけで、ここまでの話をまとめます。

  • 数的処理 16問前後出題 11点目標
  • 文章理解 11問前後出題 6点目標
  • 人文科学 4問前後出題 1点目標
  • 自然科学 3問前後出題 1点目標
  • 社会科学 6問前後出題 5点目標

これで40問中24点なので、合格ラインの6割です。数的処理と社会科学だけをしっかり勉強して、その他はサラッとやっておけばOKということです。

こう考えると、意外と簡単に合格ラインに乗せられることがおわかりいただけたのではないでしょうか。

しかも5択の問題なので、適当にマークしても正解できる可能性があります。確実に間違っている選択肢をいくつか排除できれば、それだけで正解を拾える可能性も高まります。

思っているよりも合格は近いですよ。

教養試験の参考書は何を使うべき?

教養試験の勉強をするにあたり、おすすめの参考書も紹介しておきます。以下になります。

スーパー過去問ゼミシリーズ

公務員試験対策の参考書はたくさんありますが、スー過去が一番おすすめですね。理由は単純に、「使ってみて一番わかりやすいと感じたから」です。僕は実際に公務員試験に合格した経験があります。その勉強の際には複数の参考書を使いましたが、一番わかりやすいと感じたのがスー過去です。

スー過去は10年以上にわたり、公務員試験関連問題集の中で販売部数のトップを維持している参考書です。それだけ多くの受験生に指示され続けている「定番中の定番」の参考書です。

試験ごとの出題傾向がまとめられているので、自分が受験する試験でどの分野が出題され、どの分野が出題されないのかが一目でわかります。掲載されている問題も良問ばかりなので、必要な知識を効率よく学べるような内容になっています。

スー過去の魅力や使い方については、以下の「独学で公務員試験を狙うなら参考書はスーパー過去問ゼミ一択です」の記事にまとめているので、気になる方はチェックしてみてください。

教養試験の勉強時間は?

教養試験に合格するためにはどのくらいの勉強時間が必要になるのでしょうか。

結論、以下の時間数になります。

300〜500時間程度

まず公務員試験に合格するためには、1,000時間程度の勉強時間を確保する必要があると言われています。実際に僕が合格までにかけた時間もこのくらいなので、実体験からしても大体このくらいの時間かなと思います。

公務員試験の筆記試験には、教養試験以外にも専門試験があります。この専門試験の対策には多くの時間がかかり、大体700時間くらいを見ておく必要があります。残りの300時間くらいで教養試験の対策をしていくイメージです。

専門試験が課されない公務員試験を受験する場合だと、500時間くらいは見ておいた方が良いでしょう。教養試験には専門試験で出題される科目からの出題もあるので、専門試験の勉強をしていない人はその部分の対策も必要になるからです。追加で200時間くらいの学習時間を確保しましょう。

というわけで、大体300〜500時間程度が教養試験対策にかかる時間となります。

公務員試験の教養試験についてまとめ

というわけで今回は「公務員試験の教養試験」について、出題科目や目標点などを詳しく解説しました。

もう1度、この記事の内容を振り返っていきましょう。

  • そもそも公務員試験の教養試験とは…
    一般的な教養が身についているかが問われる試験
  • 教養試験の出題形式は?
    五肢択一式で出題されるのが一般的
    一般知能と一般知識の2分野がある
    全ての問題に回答しないパターンもある
  • 教養試験の出題数は?
    受験する試験種や自治体により異なる
  • 教養試験は何割取れば合格できる?
    おおむね6割
  • 教養試験の出題科目は?
    一般知能(数的処理・文章理解)
    一般知識(人文科学・自然科学・社会科学)
  • 教養試験を効率良く対策するには?
    出題数の多い、数的処理から手をつける
    文章理解の対策はほどほどに
    直前期は時事対策をやる
    その他の科目は深追いしすぎない
  • 教養試験の参考書は何を使うべき?
    スーパー過去問ゼミシリーズ
  • 教養試験の勉強時間は?
    300〜500時間程度

とはいえ教養試験はかなり科目数が多いので、全てを完璧にするのではなく、大事なところに力を入れて効率良く学習していかないと大変です。重要度3の科目を中心に、学習を進めてみてください!

ちなみに「公務員試験の独学割合は2割【予備校卒業生が圧倒的多数な理由】」の記事でも書いている通り、公務員試験の合格者の多くは、公務員予備校の講座を受講しています。

予備校の費用相場は20万円以上とかなり高いですが、公務員試験に合格してしまえばすぐに元が取れる金額ではあります。この点については「20代公務員の給料はどのくらい?【国家・地方それぞれの年収・月収まとめ】」にまとめています。

合格の可能性を高めるためにも、公務員予備校の受講は積極的に検討していきたいですね。この記事を書いている僕ももちろん、公務員試験に挑戦する際には予備校にお世話になりました。かなり長期間にわたって勉強したので、予備校に通っていなければ合格できなかったと思います。

以下に参考記事をいくつか置いておきますので、予備校選びの参考にしていただければと思います。

今回は以上になります。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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