こんにちは、まさちゃんです!
今回は「公務員試験の難易度」というテーマでお話ししていきます。
公務員試験の難易度は受ける試験ごとに異なるので、それらをランキング形式で紹介しつつ、「穴場な試験」や「ノー勉で合格を狙える試験」についても解説していきます。
公務員試験は基本的に難しい試験なのですが、その中でも「この試験は特に難易度が高い。」とか「この試験は比較的受かりやすい。」という難易度の違いがあります。
その違いを詳しく解説していくのがこの記事の内容です。
公務員試験の受験者の中ではかなり高齢な部類での受験でしたので、難易度や倍率、穴場情報については他の人よりも入念にチェックしていた自信があります。
リアルな情報をお伝えできるかと思います!
それでは早速内容に入っていきます!
目次
公務員試験の難易度ランキング
まずは公務員試験の難易度をランキングで見ていきましょう。
これらを加味した上で5段階に分けてみました。
難易度S | 国家総合職、外務専門官、国会職員など |
難易度A | 東京都Ⅰ類、大都市圏県庁(上級)、政令指定都市(上級)、特別区Ⅰ類、労働基準監督官など |
難易度B | 国家一般職、地方上級、国税専門官、裁判所事務官など |
難易度C | 国立大学法人、市町村(上級)、国家一般職(高卒)、消防官、警察官など |
難易度D | 自衛官、刑務官など |
だいたいこんな感じかと思います。
このランキングになる理由を詳しく説明していきますね。
公務員試験の難易度は専門試験があるかないかで変わる
公務員試験を受験する場合、筆記試験や論文、面接などの試験が課されるのですが、難易度に大きく差が出るのは「筆記試験」です。
筆記試験には主に以下のようなパターンがあります。
この2パターンが基本ですね。
教養試験と専門試験の詳しい内容は「【教養試験】公務員試験の科目【合格ラインは意外と簡単に超えられます】」「【専門試験】公務員試験の科目【科目をしぼれば合格ラインは超えは余裕です】」の記事で詳しく書いていますので、気になる方は以下の記事をチェックしてみてください!
内容を簡単に説明すると以下のような感じです。
パッと見た感じで専門試験の方が難しそうだなということがわかるかと思います。
僕が受験したときも、一番時間がかかって大変だったのがこの専門試験の勉強でした。
ずっと理系人間として生きてきた僕にも、容赦無く法律や経済、政治といった意味不明な科目が課されます。
これらの科目にノー勉で対応できる人は少ないですよね。
法学部の方であれば経済や政治が鬼門になりますし、僕のような理系の方であれば全ての科目が試練です。
しかもどの科目も出題される問題の難易度が高いので、基本をサラッと勉強しておけば対応できるような内容ではありません。
というわけで、この専門試験がある場合には、勉強にかかる時間が多くなるため、難易度が高くなってきます。
めちゃめちゃ簡単に分類すると、上記のような感じになります。
受験しようと思っている公務員試験は「教養試験のみ」で受験できるのか、それとも「専門試験まで課される」試験なのかを確認すると、大体の難易度はわかるかなと思います。
国家公務員試験の難易度
上記の見分け方を使って、国家公務員の難易度を細かく見ていきましょう。
国家公務員は、大きく以下の3種類に分けられます。
総合職は公務員試験の最難関と言われる試験で、国の政策の中枢に関わる仕事をする職種です。
総合職の仕事をサポートしたり、地方出先機関などで勤務するのが一般職の職員になります。
専門職は「国税専門官」「労働基準監督官」などの特定の分野に特化して働く公務員です。
詳しい分類と仕事内容については「事務職公務員の種類と仕事内容【1つに絞り込む必要なし!全部受けるべし!】」で解説しているので、気になる人は以下をどうぞ。
国家公務員の試験はいずれも一次で教養試験+専門試験が課されるので、難易度は高いです。
これらの試験は、試験科目は重なっている部分が多いので併願をするのが普通です。
ということはないので安心してくださいね。
ちなみに少し話はそれますが、併願をする場合の基本パターンについても「公務員試験の併願パターンを紹介!【併願状況は面接で隠すべきなのか】」にまとめていますので参考にしてみてください。
地方公務員試験の難易度
次に地方公務員の難易度についてみていきましょう。
地方公務員についてはイメージしやすいかと思いますが、大きく以下のように分類できます。
特別区というのは東京23区のことを指します。
この中で専門試験が課されるのは、都道府県庁、政令市、特別区です。
なのでざっくり以下のような難易度と考えておいてください。
もちろんこの中には事務職以外の保育士や土木などの専門職もあるので全てが当てはまるわけではありません。
あくまでも、ざっくりです。
これらの試験も、日程が重ならない限り併願をすることが可能です。
市役所は試験日程が重なっていることが多いので、近所の市役所をたくさん併願することは難しいです。
公務員試験の難易度を倍率で見る

次に、公務員試験の倍率について見ていきます。
倍率については、職種によって大きく差があります。
また、同じ職種であっても、試験区分や受験地域によっても差が出てきます。
例えば国家総合職の場合は以下のような感じですね。
区分 | 2021年 | 2020年 | 2019年 |
法律区分 | 15.7倍 | 8.6倍 | 16.9倍 |
経済区分 | 6.0倍 | 4.5倍 | 8.6倍 |
教養区分 | 14.4倍 | 12.2倍 | 13.1倍 |
2021年のデータで法律区分だとおよそ15.7倍、経済区分だと8.6倍と大きな差がありますね。
続いて国家一般職の例も見ていきましょう。
行政職の地域ごとの倍率は以下の通りです。
地域 | 2021年 | 2020年 | 2019年 |
北海道 | 2.0倍 | 2.1倍 | 2.2倍 |
東北 | 2.6倍 | 3.1倍 | 2.7倍 |
関東甲信越 | 3.4倍 | 3.4倍 | 4.0倍 |
東海北陸 | 3.1倍 | 3.4倍 | 2.8倍 |
近畿 | 3.3倍 | 3.5倍 | 4.1倍 |
中国 | 2.4倍 | 2.0倍 | 2.5倍 |
四国 | 3.0倍 | 2.6倍 | 3.6倍 |
九州 | 3.3倍 | 2.9倍 | 3.2倍 |
沖縄 | 6.3倍 | 3.4倍 | 3.0倍 |
2021年の数字だと北海道2.0倍、関東甲信越3.4倍、沖縄6.3倍など、かなりの開きがありますね。
受験者数が多い地域で、倍率が高くなる傾向にあります。
続いて地方公務員の試験倍率も見ていきますね。
2021年 | 2020年 | 2019年 | |
東京都Ⅰ類B (行政・一般方式) | 13.7倍 | 4.6倍 | 5.6倍 |
特別区Ⅰ類 (事務) | 4.8倍 | 5.7倍 | 5.7倍 |
埼玉県 (一般行政) | 4.2倍 | 3.8倍 | 5.2倍 |
2021年のデータで見ると、東京都I類Bで13.7倍、特別区で4.8倍、埼玉県で4.2倍となっています。
東京都は採用数をかなり絞ってきた影響で、高倍率になっていますね。
受験者数は年々減少傾向にあるのですが。。。
細かく見ていくとキリがないのでこのくらいにしておきますが、平均すると大体5〜6倍程度と思っておけばいいかと思います。
公務員試験は受験料がかからないので、ダメもとで受験する記念受験組が毎年一定数いるのと、途中で辞退する人もいるので、実際の倍率はここまで高くはないです。とはいえ中途半端な気持ちで勉強していては合格できない試験だということがわかるかと思います。
というわけで「試験内容」と「倍率」について簡単に説明したところで難易度ランキングを再度見てみましょう。
難易度S | 国家総合職、外務専門官、国会職員など |
難易度A | 東京都Ⅰ類、大都市圏県庁(上級)、政令指定都市(上級)、特別区Ⅰ類、労働基準監督官など |
難易度B | 国家一般職、地方上級、国税専門官、裁判所事務官など |
難易度C | 国立大学法人、市町村(上級)、国家一般職(高卒)、消防官、警察官など |
難易度D | 自衛官、刑務官など |
難易度CとDに分類した試験は、教養試験のみで受験可能な試験です。
B以上は専門試験まで課されるので、難易度としては高くなりますね。
そこから倍率などを加味して出来上がったのが今回のランキングなので、多少の異論はあるかと思いますが、参考にしていただければと思います。
公務員試験の勉強時間
次に、公務員試験の勉強時間についても説明しておきますね。
これについても、専門試験があるのか教養試験のみなのかで変わってきます。
一般的には、専門試験ありの場合は1000〜1500時間、教養試験のみの場合は500〜1000時間の勉強が必要と言われています。
僕が国家公務員一般職の試験に合格したときも、確かにこのくらいの時間がかかりましたね。
実体験から見ても間違いないと思います。
ちなみに僕は理系の学部出身だったので、法律も経済も政治も全く無知識のところからスタートしての時間数です。
知識がある人はもう少し短い時間で合格できるかと思います。
また、公務員試験の勉強時間は予備校に通うか独学で学習するかでも変わってきます。
独学で合格できるレベルに持っていくことは可能ですが、予備校に通うのが一般的ですね。以下の記事「公務員試験の独学割合は2割【予備校卒業生が圧倒的多数な理由】」にもまとめていますが、予備校に通う人が多数派です。
1000時間の勉強を独学でコツコツやっていくのはなかなかしんどいです。予備校でペース管理をしてもらいつつ、効率よく学習していくのが圧倒的におすすめですね。
大体20万〜30万くらいの受講料がかかりますが、公務員になってしまえばすぐに元が取れるので、コスパの良い投資かと思います。
難易度低め!受かりやすい穴場公務員試験

最後に、受かりやすい穴場試験についても触れておきます。
公務員試験は基本的に難易度が高く、ある程度の勉強時間を確保しないと合格が難しい試験ですが、その中でも比較的受かりやすい穴場の公務員試験があります。
こんな感じですかね。
それぞれ説明していきます。
筆記に自信がある→国家公務員一般職
まず、筆記試験に自信があるのであれば国家公務員一般職が穴場ですね。
国家一般職は、他の試験種に比べて面接の比重が低くなっています。
- 教養試験 2
- 専門試験 4
- 論文試験 1
- 面接試験 2
こんな感じの比重で採点されます。
一次の筆記試験の配点が全体の6割を占めます。
ここである程度得点できれば、面接でよほどのことをやらかさない限り合格できますね。
実際に国家一般職試験に合格した僕の体感としても、やはり筆記試験重視だなと感じました。
面接の内容も、面接官によって有利不利が出ないように一般的な質問内容だったので、準備していた答えを笑顔ではきはきと答えれば合格できるかなと思います。
筆記は専門試験まであるので勉強は大変ですが、面接が苦手な人は狙い目ですよ。
面接に自信がある→一般市町村
反対に、面接は得意なんだけど筆記試験に自信がないという人には教養試験のみで受験できる市役所をおすすめします。
教養のみの市役所の場合、筆記試験のボーダーを低めに設定し、なるべく多くの人に面接の機会を与えてくれるところが多いです。
筆記試験を最低限の得点で突破できれば、あとは面接次第で合格することができます。
専門試験がないので勉強時間を大幅に減らすことができますし、高校までの勉強に自信がある人はノー勉でも合格することが可能です。
注意していただきたいのは、採用人数が多くない市町村の場合です。
あまり大声では言えませんが、僕の知り合いの話だとコネで合格する方もいるとのこと。採用人数が少ない市町村だと、コネだけで採用枠が埋まってしまっているケースもあるということですね。
恐ろしや。。。
それなりの人数の採用枠がある一般市町村を狙っていくといいですよ。
中核市とか穴場です。
経験者採用試験→特別区
また、経験者採用試験を受けるならば、特別区の試験がおすすめです。
経験者採用試験は民間での職業経験が一定の年数あると受験することができる試験です。一般的な採用試験に比べると年齢制限が高いので、30代、40代の方も公務員試験に挑戦することができます。
ですが経験者採用試験の場合、以下の理由からかなりの高倍率になることが多いです。
多くの試験で数十倍という高倍率になります。
そんな中、特別区の試験は他の試験よりも比較的多くの採用枠があることから、倍率がそこまで高くならない傾向があります。
ちなみに最近の倍率は以下の通りです。
特別区経験者採用 | 令和3年度 | 令和2年度 | 令和元年度 |
1級職 | 7.6倍 | 8.0倍 | 9.3倍 |
2級職 | 12.9倍 | 14.2倍 | 14.3倍 |
ぱっと見で感想を言うと「うわ、高っ。」って感じなんですが、経験者採用試験の倍率としてはかなり低い方です。
平成30年度の1級職の倍率は3.6倍でした。
穴場と言えます。
倍率が低い→国税専門官
単純に倍率が低い公務員試験を狙うなら、国税専門官が穴場です。
最近の試験倍率は以下の通りです。
ここ2年間は2.3倍、その前の年も3.0倍なので、安定して低倍率になっていますね。
それ以前も基本的に3倍台の倍率で推移しているので、合格しやすい試験と言っていいでしょう。
専門試験があるので勉強するのは大変ですが、そこさえ頑張って乗り切れば合格は近いです。
公務員試験にノー勉合格はできるのか
というわけで、穴場な公務員試験について紹介させていただきました。
ノー勉で合格できる可能性が一番高いのは「一般市町村」の試験というのが結論になります。
とはいえいくらノー勉でも合格できる可能性があると言っても、先ほども書いた通り公務員試験は普通に勉強していたら最低でも500時間くらいの勉強が必要な試験です。
短くて半年から1年、長い人だと2年かけて、じっくり勉強を積み重ねて受験する人もいます。
となると本当に完全ノー勉で合格できる人は限られてきますね。
こんな方々です。
普通の人は残念ながら完全ノー勉では厳しいと言わざるをえないというのが正直なところです…
試験まで少しでも時間があるのであれば、少なくとも数的処理だけでもいいので一通り勉強しておくと合格する確率を上げることができます。
というのも数的処理はどの公務員試験にもかなりの問題数が出題されるので、1科目勉強しただけで大幅に点数を伸ばすことが可能な科目です。

上の表はLECの公式サイトに掲載されていたもので、一般的な教養試験の出題数の例です。
数的処理の出題数は40問中14問となっていて、がかなり多いことがわかりますね。
実際に市役所の試験でも出題数はかなり多くて、以下のような感じです。
教養試験は大体6割くらい得点すれば合格点に乗せられると言われています。これは40問中24問正解すれば筆記試験を通過することができる計算です。
数的処理がいかに重要かがわかりますね。むしろここの対策をしないで受験した場合、合格する可能性はかなり低くなってしまいます。
これから受験する人の中で試験日まで少し時間があるという人は、今からでも「数的処理」の対策をしておくと合格率を高めることができると言えますね。
対策方法としては、本屋さんでテキストを1冊買って学習するのもありですが、難しい科目なのでできれば予備校の数的処理講座を単品で受講するのをおすすめします。
最近は「Web通信専門の予備校」というのもありまして、スマホ1台でいつでもどこでも講義動画を視聴できるという便利な予備校です。ちょっとした空き時間に学習できるので、通勤通学の電車内や昼休憩などに学習を進めていくことができます。
TACやLECなどの大手予備校だと数的処理単品での受講ができないので、その他の有名どころだと以下の2つがおすすめですね。
アガルートアカデミーだと、40時間の数的処理対策講座が税込27,500円で受講できます。初級編だけの販売もしていて、こちらだと9時間分の講義で10,780円という低料金ですね。公式サイトでサンプル講義が視聴できるので、一度視聴してみて良さそうだと思ったら受講する感じがいいかと思います。
スタディングは現代文や英語の対策も含めて税込38,000円で受けられる「一般知能速習コース」という講座があります。講義時間は45時間分なので、アガルートよりも若干多い感じです。
いずれにせよ、このくらいの金額で安定の公務員ライフが近づくなら、安い投資かと思います。公務員になってしまえばすぐに元が取れますので。
以下に公式サイトへのリンクを貼っておきます。少しでも得点アップしたい方はチェックしてみてください。
というわけで今回は以上となります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!