こんにちは、まさちゃんです。
今回は「土地家屋調査士試験の基礎知識」というテーマでお話ししていきます。
- 土地家屋調査士って、どんな仕事なの?
- 年収はどのくらいなの?
- 試験はどのくらい難しいの?
- 合格までどのくらいの勉強が必要なの?
こういった疑問をお持ちの方に向けて、この記事では土地家屋調査士試験の基礎知識をまとめていきます。
具体的には以下のような内容について、数字を交えながら詳しく解説していきます。
この記事を読めば、土地家屋調査士試験の全体像がつかめ、次のステップに進むための判断材料が得られるはずです。
それでは、具体的に見ていきましょう!
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土地家屋調査士とは

土地家屋調査士は、不動産の表示に関する登記の専門家として、法務大臣から認められた国家資格です。主に以下のような業務を行います。
- 土地の測量と境界確定
- 建物の調査・測量
- 不動産の表示登記申請手続き
- 土地の分筆・合筆手続き
- 建物の新築・増築などの登記手続き
土地の境界をめぐるトラブルは後々大きな問題に発展する可能性があるため、専門家として正確な測量技術と法律知識を活かして解決に導きます。
また近年は、空き家問題や所有者不明土地の増加など、不動産に関する社会問題が深刻化しています。こうした問題に対しても、土地家屋調査士は重要な役割を担っています。
資格取得後は、個人で事務所を開業することも、既存の事務所に就職することも可能です。不動産登記の専門家として、安定した需要が見込める資格と言えるでしょう。
司法書士が不動産の権利に関する登記を担当するのに対し、土地家屋調査士は不動産の「表示」に関する登記を担当します。両資格は業務範囲が異なりますが、補完し合う関係にあり、ダブル資格として取得を目指す方も多くいます。
土地家屋調査士の年収

土地家屋調査士の平均年収は600万円前後とサラリーマン(460万円)よりも相当高い水準です。さらに独立開業すれば1,000万円以上の収入も十分に狙える、魅力的な資格と言えます。
年齢別の年収目安
- 20代:500万円前後
- 30代:600万円前後
- 40代:750万円前後
- 50代:850万円前後
経験と共に着実に年収アップが期待できます。
働き方による違い
- 事務所勤務:400万円~600万円
- 独立開業:1,000万円以上も多数
- 法人経営:2,000万円超えも可能
特に独立開業の場合、例えばマンションなどの区分建物登記を受注できれば、1件で戸建ての数十倍もの報酬を得ることができます。努力次第で大きく収入を伸ばせるのが魅力です。
高収入が期待できる理由
- 法律で定められた独占業務である
- 全国でも16,000人程度しかいない
- 不動産取引において必須の専門家
- AIでは代替できない専門性の高さ
さらに近年は、相続登記の義務化などで需要が伸びることも予想されており、将来性も期待できます。
土地家屋調査士は、専門性を活かして高収入を目指せる、とても魅力的な資格と言えるでしょう。
土地家屋調査士試験の概要

土地家屋調査士試験は、国家資格として高い専門性が求められる一方で、受験資格は比較的緩やかに設定されています。試験の概要を見ていきましょう。
受験資格
受験資格は「制限なし」なので、年齢・学歴などに関係なく誰でも受験できます。実務経験が必要ないというのは嬉しいですね。
試験日程
願書配布・受付 | 例年7月下旬~8月中旬 各都道府県(地方)法務局で配布・受付 |
試験日 | ■筆記 例年10月第3週の日曜日 午前の部:9:30-11:30 午後の部:13:00-15:30 ■口述 例年1月中旬(筆記試験合格者のみ) |
合格発表日 | ■筆記 例年1月上旬 ■口述 例年2月中旬 |
試験のスケジュールとしては、例年10月第3週の日曜日に筆記試験が実施され、合格者は1月の口述試験に駒を進めるという流れです。
最終的な合格発表は例年2月中旬頃です。
受験地・受験料
測量士補試験と、筆記試験の午後の部が最重要
口述試験については、受験した方のほぼ全員が合格するというのが例年の傾向です。
つまり、土地家屋調査士の試験に合格するために重要なのは以下の2点となります。
- 午前の部免除のため「測量士補」の試験に合格する。
- 筆記試験の「午後の部」でしっかり得点できるように対策する。
土地家屋調査士試験の出題科目

土地家屋調査士試験は、「午前の部」と「午後の部」で構成される筆記試験、そして合格者のみが受験できる口述試験があります。それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。
筆記試験 午前の部
ただし、以下の資格保持者は午前の部が免除されます。
このうち測量士補試験は受験資格がなく、合格率も約40%と比較的高いため、多くの受験生がこの資格を取得して午前免除を受けています。
5月の測量士補試験を受けて合格→10月の土地家屋調査士試験へ、というのが一般的なルートです。
もちろん免除を受けずに受験することも可能ですが、午前の部を受験する方はほとんどいないため、午前の部に関する参考書や問題集もほとんど出回っていません。そのため学習するハードルがとても高いです。あまりおすすめはしないですね。
筆記試験 午後の部
午後の部の中でも特に重要なのが不動産登記法です。択一式全20問中16問を占めており、この科目で確実に得点できるかどうかが合否を分けるポイントとなります。
民法は出題数が少ないので捨て科目にしてしまいたいところですが、20問中3問というのは意外と大きい割合なので、実はしっかり対策をしておくべき科目です。範囲が広いので、早めに対策を初めておくようにしましょう。
続いて書式についてですが、必ず計算問題が出題され、三角関数や複素数の知識が必要になります。そしてそこから早く正確に作図をすることが求められます。事前にしっかり練習しておく必要がありますね。
知識だけで合格できる試験ではないので、難易度が高い試験と言えます。
口述試験
口述試験については、受験した方のほぼ全員が合格するというのが例年の傾向です。
実質的には筆記試験合格が土地家屋調査士への最大の関門と言えます。
合格率と合格ボーダー

土地家屋調査士試験は、高い専門性を持つ資格だけあって、合格率は約10%と決して高くありません。具体的な数字を見ていきましょう。
最近の合格実績
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
令和5年度 | 4,429人 | 428人 | 9.66% |
令和4年度 | 4,404人 | 424人 | 9.62% |
令和3年度 | 3,859人 | 404人 | 10.47% |
令和2年度 | 3,785人 | 392人 | 10.36% |
令和元年度 | 4,198人 | 406人 | 9.68% |
平成30年度 | 4,380人 | 418人 | 9.54% |
平成29年度 | 4,600人 | 400人 | 8.69% |
平成28年度 | 4,506人 | 402人 | 8.92% |
平成27年度 | 4,568人 | 403人 | 8.82% |
毎年4,000人前後が受験し、400人程度が合格するという傾向が続いています。
10人に1人程度しか合格できない試験なので、狭き門ですね。難易度の高い試験と言えます。
合格ボーダー
出題科目が分かったところで、実際にどのくらい得点すれば合格できるのかを見ていきましょう。
年度 | 基準点(択一) | 基準点(書式) | 合格点 |
令和5年度 | 35.0点 | 29.0点 | 72.0点 |
令和4年度 | 37.5点 | 34.0点 | 79.5点 |
令和3年度 | 32.5点 | 30.5点 | 73.5点 |
令和2年度 | 32.5点 | 30.0点 | 71.0点 |
令和元年度 | 32.5点 | 33.0点 | 76.5点 |
平成30年度 | 35.0点 | 33.5点 | 81.0点 |
平成29年度 | 37.5点 | 36.0点 | 81.0点 |
平成28年度 | 30.0点 | 31.5点 | 74.5点 |
平成27年度 | 32.5点 | 30.0点 | 73.5点 |
こんな感じです。
「合格点」と「基準点」という2つのワードが出てきたので説明しますね。
基準点について
まず基準点についてですが、こちらはいわゆる「足切り点」のことです。なので基準点を上回るのが合格するための第一条件です。
基準点は択一式と書式の2つに課されているので、どちらもバランスよく得点できるように対策していきましょう。
ちなみに配点は以下の通りです。
- 択一式(午後の部)
→2.5点×20問
→50点満点 - 書式
→25点×2問
→50点満点
合格点について
そして合格点というのはその名の通りでして、「この点数を超えたら合格ですよ。」というボーダーラインのこと。択一式と書式の合計得点が合格点を超えると、晴れて土地家屋調査士の試験合格となります。
合格点は試験問題の難易度や受験者数にもよるので予想しづらいのですが、低いときは70点台の前半、高いときは80点台になっていますね。8割超えを目指して対策していくと良いでしょう。
択一式、書式どちらも基準点ギリギリの点数だと合格点に届かないので、さらに10〜15点ほどの上乗せが必要です。
合格までに必要な学習時間

土地家屋調査士の合格に必要な学習時間は一般的に1,000時間と言われています。これを日々の学習時間に換算すると以下のようになります。
学習パターンの例
長期間に渡る学習を耐え抜いた先に、土地家屋調査士の合格があります。
本業の仕事をしながら合格を目指す人は、1日2時間ずつの時間を確保することも大変かと思います。それを1年半も続ける必要があるということで、とても過酷な道のりです。
多くの方が、途中で挫折してしまうことでしょう。土地家屋調査士はそれだけ価値のある資格です。
おすすめの学習方法
独学でも合格は可能ですが、以下の理由から予備校・通信講座の利用がおすすめです。
- 効率的な学習カリキュラムが組まれている
- 重要ポイントを的確に把握できる
- 質問で理解を深められる
- モチベーションを維持しやすい
- 測量士補試験の対策も同時にできる
特に測量士補試験の対策は、予備校のノウハウを活用することで効率的に進められます。
土地家屋調査士試験は、専門性が高く学習範囲も広いため、長期戦になることを覚悟しましょう。その分、取得後は高い収入と安定した需要が期待できる魅力的な資格です。



まとめ
というわけで今回は、「土地家屋調査士試験の基礎知識」というテーマで、試験の内容や合格ボーダーなどを詳しく解説しました。
以下、この記事の重要なポイントをまとめました。
仕事と年収
- 平均年収は600万円前後でサラリーマンより高水準
- 独立開業で1,000万円以上も十分狙える
- 法律で定められた独占業務で将来性も安定
試験について
- 受験資格の制限なし(年齢・学歴不問)
- 筆記試験(10月)と口述試験(1月)
- 合格率は約10%で毎年400名程度が合格
- 測量士補試験合格で午前免除を受けるのが一般的
合格に必要な要素
- 学習時間の目安は1,000時間
- 択一・書式ともに基準点をクリアし、合計で70~80点以上が必要
- 不動産登記法が最重要科目
- 計算力と作図の技術も必須
土地家屋調査士は、平均年収600万円前後、独立開業すれば1,000万円以上も狙える魅力的な資格です。受験資格に制限がないので、誰でもチャレンジできます。
ですが合格率は約10%…狭き門です。
合格までに必要な勉強時間は約1,000時間…過酷です。
効率良く対策しないと挫折の危険性がかなり高い試験なので、予備校の利用をファーストチョイスに考えつつ、学習を進めていってください。
予備校選びに必要な情報は、以下の記事にまとめています。参考にしていただければ。



高収入かつ将来性のある土地家屋調査士。ぜひ効率的な学習方法で、最短合格を目指してください!
今回は以上になります。最後まで読んでいただきありがとうございました。
それでは。
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