こんにちは、元公務員のまさちゃんです!今回は公務員試験のグループワーク(集団討論)について、徹底的に解説していきます。
公務員試験のグループワークに不安を感じている方は多いのではないでしょうか。
当日渡される課題に対して、見ず知らずの人と討論する…これだけでも緊張するのに、それを周りで見ている試験官に評価されるわけです。不安に感じて当たり前ですよね。
そんな方のために、この記事を書きました。最後まで読んでいただくと、グループワークの全容が分かって、効果的な対策ができるようになりますよ。
公務員試験のグループワークとは?
公務員試験のグループワーク(集団討論)は、5〜10人程度のグループで与えられたテーマについて話し合う試験形式です。時間は自治体によって異なりますが、40〜50分くらいが多いですね。
グループワークの目的は、受験者のコミュニケーション能力や協調性、リーダーシップなどを評価することです。つまり、「この人と一緒に働きたいな」と思ってもらえるかどうかが重要になってきます。
公務員の仕事って、チームで進めることが多いんですよね。なので、グループワークでの態度や発言から、実際の職場でうまくやっていけるかを見極めようとしているわけです。
グループワークが導入される背景には、筆記試験や個人面接だけでは測れない能力を評価したいという意図があります。例えば以下です。
・他人の意見を聞き、理解する力
・自分の意見を分かりやすく伝える力
・グループの中で適切な役割を果たす力
・限られた時間内に結論を導き出す力
これらの能力は、実際の公務員の仕事でも必要不可欠なものばかりです。だからこそ、グループワークという形式で評価しようとしているんですね。
グループワークの流れを徹底解説
グループワークの流れは大体こんな感じです。
①テーマ発表(5分程度)
②個人で考えをまとめる時間(10分程度)
③自己紹介と役割決め(5分程度)
④討論(20〜30分程度)
⑤結論のまとめ(5分程度)
それぞれの段階について、詳しく見ていきましょう。
①テーマ発表(5分程度)
試験官からテーマが発表されます。メモを取るのを忘れずに!この時、テーマをしっかり理解することが大切です。聞き逃したり、勘違いしたりすると、後の討論でとんでもない方向に行ってしまう可能性があります。
テーマの例:
・「少子高齢化社会における地方自治体の役割について討論してください」
・「SNSの普及による影響と対策について議論してください」
②個人で考えをまとめる時間(10分程度)
自分の意見や、討論で話したいポイントをメモしましょう。ここでしっかり準備できると、後の討論がスムーズになります。
この時間でやるべきこと
・テーマに対する自分の立場を決める(賛成・反対・中立など)
・自分の意見の根拠を2〜3点考える
・予想される反論とその対策を考える
・具体例や数字データがあれば、それもメモしておく
③自己紹介と役割決め(5分程度)
簡単な自己紹介をした後、司会やタイムキーパーなどの役割を決めます。積極的に役割を引き受けるのもいいですが、無理に争う必要はありません。
主な役割
・司会:討論の進行役。全員に発言の機会を与え、議論がテーマから外れないよう注意する。
・タイムキーパー:時間を管理し、適切なタイミングで残り時間を伝える。
・書記:議論の内容をホワイトボードなどにまとめる。
④討論(20〜30分程度)
ここが本番です!自分の意見を述べつつ、他の人の意見もしっかり聞きましょう。
討論時の注意点
・最初に全員が一巡して意見を言う機会を作る
・他の人の意見にも必ず反応する(うなずきや相づちも大切)
・意見が出尽くしたら、共通点や相違点を整理する
・時間配分に注意し、結論を出すための時間を確保する
⑤結論のまとめ(5分程度)
グループとしての結論を出します。ここで曖昧な結論にならないよう注意が必要です。
結論のまとめ方
・多数決で決めるのではなく、全員の意見を尊重した形でまとめる
・「AとBの両方が大切」のような中途半端な結論は避ける
・具体的な対策や提案を含めるとより良い
評価のポイントと合格への近道
グループワークでは、主に以下のポイントが評価されます。
・協調性:チームワークを意識できているか
・積極性:自分から発言できているか
・貢献度:議論を前に進める発言ができているか
・論理的思考力:根拠のある意見が言えているか
・コミュニケーション能力:他の人の意見を聞き、適切に反応できているか
これらのポイントについて、もう少し詳しく見ていきましょう。
協調性
単に仲良くするということではありません。異なる意見も尊重しつつ、グループ全体の目標(結論を出すこと)に向かって行動できているかがポイントです。
積極性
ただ発言回数を増やせばいいわけではありません。適切なタイミングで、建設的な意見を述べることが大切です。黙っていても、うなずきや相づちなどで議論に参加する姿勢を見せることも積極性の一つです。
貢献度
「こういう意見もありますが、皆さんどう思いますか?」といった形で新しい視点を提供したり、「ここまでの議論をまとめると〜になりますが、これでよろしいでしょうか?」と議論を整理したりすることで、グループ全体の議論を前に進められます。
論理的思考力
「〜だと思います」だけでなく、「なぜなら〜だからです」と根拠を示すことが大切です。できれば具体例や数字データを挙げられるとさらに良いでしょう。
コミュニケーション能力
話す力だけでなく、聞く力も重要です。他の人の意見をしっかり聞き、それに対して適切に反応できることが評価されます。
合格への近道は、これらのポイントを意識しつつ、自然体で討論に参加することです。無理にリーダーシップを取ろうとしたり、発言回数を稼ごうとするのは逆効果です。
むしろ、他の人の意見をしっかり聞いて、適切なタイミングで自分の意見を述べる。そして、グループ全体の議論が円滑に進むよう心がけることが大切です。
頻出テーマと対策方法
グループワークのテーマは大きく分けて4つあります。
①時事問題
例:新型コロナウイルス対策、働き方改革 など
②社会問題・国の行政課題
例:少子高齢化対策、環境問題 など
③地域行政の課題
例:地方創生、観光振興 など
④その自治体独自の政策
例:各自治体の条例や特色ある取り組み など
それぞれのテーマについて、もう少し詳しく見ていきましょう。
①時事問題
最新のニュースや社会の動きに関するテーマです。例えば以下ですね。
・新型コロナウイルス対策について
・デジタル化推進による行政サービスの変革について
・SDGs(持続可能な開発目標)達成に向けた取り組みについて
対策としては、日々のニュースをチェックし、政府や自治体の対応、専門家の意見などを把握しておくことが大切です。
②社会問題・国の行政課題
日本社会全体が抱える問題や、国レベルで取り組んでいる課題に関するテーマです。例えば以下です。
・少子高齢化対策について
・働き方改革の推進について
・環境問題(地球温暖化対策、プラスチックごみ問題など)について
白書(厚生労働白書、環境白書など)を読んだり、政府の施策を調べたりして、現状と課題、対策などを理解しておきましょう。
③地域行政の課題
地方自治体レベルでの課題に関するテーマです。例えば以下です。
・地方創生の取り組みについて
・観光振興策について
・空き家対策について
志望する自治体の総合計画や、その地域の特徴的な課題について調べておくことが大切です。
④その自治体独自の政策
志望する自治体特有の政策や条例に関するテーマです。
・〇〇市の子育て支援策について
・△△県の環境保護条例について
・□□町の移住促進政策について
志望する自治体のホームページをしっかりチェックし、特徴的な政策や条例について理解しておきましょう。
これらのテーマに対応するには、日頃からニュースをチェックし、幅広い知識を身につけることが大切です。特に志望する自治体の課題や政策については、しっかり調べておきましょう。
対策方法としては、以下のようなことがおすすめです。
新聞やニュースサイトをこまめにチェックする
毎日15分でも良いので、新聞やニュースサイトをチェックする習慣をつけましょう。重要そうな記事はスクラップしておくと良いでしょう。
テーマごとに自分の意見をまとめておく
頻出テーマについては、事前に自分の意見をまとめておきましょう。賛成・反対の理由、具体的な対策案などを考えておくと、本番で慌てずに済みます。
統計データなど、具体的な数字を押さえておく
「〜が問題だと思います」だけでなく、「〜%が〜と答えています」といった具体的な数字を挙げられると、説得力が増します。
志望自治体の総合計画や施策を確認する
志望する自治体のホームページで総合計画を確認し、どんな課題があり、どんな対策を取っているのかを把握しておきましょう。
グループワークで絶対にやってはいけないこと
グループワークには、絶対にやってはいけないNGポイントがあります。
他の人の意見を否定したり、批判したりする
グループワークは競争ではなく協調が求められます。他の人の意見を否定するのではなく、良い点を見つけて肯定的に捉えましょう。
自分の意見を押し付ける
自分の意見を主張するのは良いですが、それを押し付けるのはNGです。他の人の意見も尊重しながら、建設的な議論を心がけましょう。
議論に参加せず、ずっと黙っている
発言が少ないと消極的と判断されてしまいます。最低でも1回は自分の意見を述べるようにしましょう。
話を独占する
逆に話しすぎるのも問題です。他の人の発言機会を奪わないよう、適度な発言を心がけましょう。
議論と関係ない私語をする
グループワーク中の私語は、態度が悪いと判断されかねません。集中して議論に参加しましょう。
これらの行動は、協調性やコミュニケーション能力の欠如と判断され、評価が大幅に下がってしまいます。気をつけましょう!
おすすめの練習方法
グループワークの練習方法として、以下の3つがおすすめです。
①模擬グループワークに参加する
予備校や就職支援サービスなどで開催されている模擬グループワークに積極的に参加しましょう。実践的な経験を積むことができます。
模擬グループワークのメリット
・本番と同じような雰囲気を体験できる
・自分の強みや弱みが分かる
・他の参加者の良い点を学べる
②ニュース番組などを見て、意見をまとめる練習をする
テレビのニュース番組やワイドショーなどを見て、そのテーマについて自分の意見をまとめる練習をしましょう。時間を決めて行うとより効果的です。
具体的な方法
・ニュース番組を見ながら、重要なポイントをメモする
・番組終了後、5分程度で自分の意見をまとめる
・可能であれば、家族や友人と意見交換をする
この練習のポイント
・時事問題への対応力が身につく
・短時間で自分の意見をまとめる力が養える
・様々なテーマに触れることで、知識の幅が広がる
③友人とディスカッションをする
友人と時事問題などについてディスカッションをする機会を作りましょう。様々な意見に触れることで、視野が広がります。
ディスカッションの進め方
1. テーマを決める(例:「18歳選挙権について」)
2. 各自5分程度で意見をまとめる
3. 順番に意見を述べる(1人2分程度)
4. 自由討論(15分程度)
5. 結論をまとめる(5分程度)
この練習のメリット
・実際に人と話すことで、コミュニケーション能力が向上する
・様々な視点からの意見を聞くことができる
・結論をまとめる練習ができる
グループワークでよくある質問
Q1. 司会役になった方が有利ですか?
A1. 必ずしもそうとは限りません。司会役は確かに目立ちやすいですが、その役割をうまくこなせないと逆効果になることもあります。無理に司会役を取ろうとするよりも、自分の得意な役割で貢献する方が良いでしょう。
Q2. 発言回数が少ないと不利になりますか?
A2. 発言回数よりも、発言の質が重要です。1回でも的確で建設的な意見を述べられれば、十分高評価を得られます。ただし、全く発言しないのはマイナスになるので、最低1回は自分の意見を述べるようにしましょう。
Q3. 意見が対立したらどうすればいいですか?
A3. 意見の対立は自然なことです。大切なのは、お互いの意見を尊重しながら、建設的に議論を進めることです。「Aさんの〇〇という意見はとても参考になりました。その上で、私は△△と考えます」といった形で、相手の意見を認めつつ自分の意見を述べるのが良いでしょう。
Q4. 討論中にメモを取っても大丈夫ですか?
A4. メモを取ること自体は問題ありません。むしろ、他の人の意見をしっかり聞いている証拠になります。ただし、メモを取ることに集中しすぎて、議論に参加できなくなるのは避けましょう。
Q5. 緊張して頭が真っ白になってしまいそうです。どうすればいいですか?
A5. 緊張するのは自然なことです。深呼吸をして落ち着きましょう。事前に自己紹介や自分の意見を簡単にまとめておくと、いざという時に話しやすくなります。また、「完璧を目指さなくていい」と自分に言い聞かせるのも効果的です。
Q6. グループ内に発言の多い人がいて、なかなか発言できません。どうすればいいですか?
A6. そういう場合は、その人の発言が一段落したタイミングを見計らって、「〇〇さんの意見に付け加えて…」といった形で発言するのが良いでしょう。また、司会役がいれば、その人に助けを求めるのも一つの方法です。
Q7. 議論が脱線してしまったらどうすればいいですか?
A7. 「ここまでの議論を整理すると…」と一度議論をまとめ、「本題に戻りたいと思いますが、皆さんいかがでしょうか」と提案するのが良いでしょう。ただし、強引にならないよう注意しましょう。
まとめ
いかがでしたか?公務員試験のグループワーク、なんとなくイメージできましたでしょうか。
グループワークで大切なのは、「自分の意見をしっかり持ちつつ、他の人の意見も尊重すること」です。完璧を目指すのではなく、グループの一員として前向きに討論に参加することを心がけましょう。
ここで、グループワークを成功させるためのポイントを最後にまとめておきます。
1. 事前準備をしっかりする:時事問題や志望自治体の課題について勉強しておく
2. 積極的に参加する:最低1回は自分の意見を述べる
3. 他の人の意見をしっかり聞く:うなずきや相づちを忘れずに
4. 建設的な発言を心がける:批判や否定ではなく、前向きな提案を
5. 時間管理を意識する:結論を出すための時間を確保する
6. グループ全体の雰囲気づくりに貢献する:笑顔で接し、和やかな雰囲気を作る
練習を重ねることで、徐々に自信がついてきます。焦らず、着実に準備を進めていってくださいね。
グループワークで求められる能力は、実際の公務員の仕事でも必要不可欠なものばかりです。ここでの経験は、将来の仕事にも必ず活きてきます。だからこそ、単なる試験対策としてではなく、自分自身を成長させる機会として捉えてみてはどうでしょうか。
公務員試験は長丁場です。グループワーク対策も含めて、計画的に準備を進めていってください。きっと素晴らしい結果を出せると信じています!
皆さん、頑張ってください!応援しています!
追伸
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また、この記事を読んで公務員になりたいと思った方には、「公務員になるには【半年で安定を勝ち取るために今あなたがやるべきこと】」の記事が参考になるかと思います。
僕の元公務員としての経験や、現在のキャリアアドバイザーとしての知識をもとに書きました。
「将来が不安だなぁ…」と漠然と感じていた20代の僕を救い出してくれたのが公務員試験です。公務員試験への感謝の気持ちも込めて書いた記事です。
過去の僕と同じように将来に不安を感じている多くの方に、この記事が届くことを願っています。
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