行政書士試験は法令科目と基礎知識の2分野・計9科目から出題されます。この記事では、試験概要・合格基準・出題形式を整理したうえで、優先度別の科目対策を解説します。
行政書士試験の概要
| 試験日 | 例年11月第2日曜日 13時〜16時(3時間) |
| 受験資格 | なし(年齢・学歴・国籍問わず受験可能) |
| 受験手数料 | 10,400円 |
| 合格率 | 10〜15%(2025年度は14.54%) |
| 評価方式 | 絶対評価(基準点を満たせば全員合格) |
科目免除の制度はなく、全受験者が全科目を受験します(弁護士・弁理士・公認会計士・税理士、一定条件を満たす公務員は特認制度により試験自体が免除されます)。
合格基準は3つ。足切りに注意
300点満点で、以下の3つをすべて満たすと合格です。
- 法令科目で122点以上(244点満点)
- 基礎知識で24点以上(56点満点)
- 全体で180点以上
注意すべきは、科目分野ごとの足切りがあることです。法令科目で満点を取っても、基礎知識が24点未満なら不合格になります。逆に両方の基準点(122点+24点=146点)を満たしても180点には34点足りません。特定の分野に偏らず、バランスよく得点する必要があります。
基礎知識で満点を取っても、180点に届くには法令科目で124点以上が必要です。合否を左右するのは法令科目だと考えましょう。
出題形式は3種類
| 形式 | 配点 | 特徴 |
| 5肢択一式 | 1問4点 | 出題数が最多。学習の中心になる形式 |
| 多肢選択式 | 1問8点 | 20の語群から空欄を埋める。部分点あり |
| 記述式 | 1問20点 | 40字程度で記述。3問で60点と高配点 |
多肢選択式と記述式は部分点がもらえるため、分からなくても諦めずに解答を埋めることが大切です。記述式は5肢択一式の範囲から出題されるので、まず択一の知識を固めてから取り組みましょう。誤字脱字は減点対象になるため、用語を正確に書けるようにしておく必要があります。
科目別の配点一覧
| 科目 | 配点 | 全体に占める割合 |
| 行政法 | 112点 | 約37% |
| 民法 | 76点 | 約25% |
| 基礎知識(4科目) | 56点 | 約19% |
| 憲法 | 28点 | 約9% |
| 商法・会社法 | 20点 | 約7% |
| 基礎法学 | 8点 | 約3% |
行政法と民法の2科目だけで全体の6割超を占めます。以下、優先度順に対策を見ていきましょう。
最優先:行政法・民法(188点)
行政法(112点)
全科目中もっとも配点が大きく、5肢択一式19問・多肢選択式2問・記述式1問と全形式で出題されます。免許停止処分への不服申し立てのような具体的な行政処分の場面をイメージしながら、条文知識を過去問演習で正確に定着させることが対策の基本です。地方自治法など身近な例に引きつけて学ぶと理解が深まります。
民法(76点)
行政法に次ぐ配点で、近年は難化傾向にあります。攻略の鍵は、条文や判例の丸暗記ではなく、AやBといった人物が登場する事例問題を解けるようになることです。5肢択一式の学習中も「この知識が記述式で問われたらどう書くか」を常に意識しましょう。民法は私法の一般法であり、行政法や商法の理解の土台にもなります。
次点:憲法・商法・基礎法学(56点)
憲法(28点)
人権分野は判例、統治分野は条文の知識が中心です。判決の結論だけでなく、判断に至る流れまで理解しておきましょう。配点は大きくないものの「あと1問」で合否が分かれる試験では、安定した得点源にしておきたい科目です。
商法・会社法(20点)
商法1問・会社法4問の構成です。範囲の広さから放置されがちですが、会社法の「株式会社の設立」や「機関」は理解しやすい頻出分野なので、2問正解を目標に取り組みましょう。時間がない場合は設立分野だけでも押さえる価値があります。
基礎法学(8点)
2問中1問は難しめな問題が出る傾向にあります。難問は割り切り、過去問演習でもう1問を確実に取りにいきましょう。法令科目を一通り学んだあとの総まとめとして最後に学習するのも効果的です。
足切り回避:基礎知識(56点)
基礎知識は高得点を狙う分野ではなく、足切りライン24点を確実に超えることが目標です。取れるところで確実に取る戦略で臨みましょう。
- 文章理解(3問):近年は難易度が低め。空欄補充はテクニックが使えるため、全問正解を狙う得点源
- 情報通信・個人情報保護(3〜4問):用語知識と個人情報保護法などの条文知識が中心。学習量が得点に直結しやすい
- 行政書士法等の諸法令(2問):行政書士法・戸籍法・住民基本台帳法の条文確認と過去問演習が基本
- 一般知識(5〜6問):政治制度・国際問題・社会保障などから出題。範囲が広く予測しづらいため、時間をかけすぎず「1〜2問正解できれば」くらいの現実的な目標に
文章理解で3問正解できれば、残り3問で足切りラインの24点を突破できます。まず文章理解を固めるのが基礎知識攻略の近道です。
まとめ
📝 行政書士の試験内容まとめ
・合格基準は法令122点以上・基礎知識24点以上・合計180点以上の3つ
・行政法と民法で全体の6割超。この2科目を軸に学習する
・基礎知識は高得点でなく足切り回避が目標。文章理解が得点源
・記述式・多肢選択式は部分点があるため、諦めず解答を埋める
行政書士試験は科目数が多いものの、配点には大きな偏りがあります。優先度をつけてメリハリのある学習計画を立てることが、合格への近道です。
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