土地家屋調査士は、不動産の「表示に関する登記」を担う不動産登記の専門家です。この記事では、仕事内容と独占業務について解説します。
土地家屋調査士は「表示に関する登記」の専門家
不動産の登記には2種類あります。土地や建物の大きさ・形など物理的な状況を示す「表示に関する登記」と、所有権などの権利関係を示す「権利に関する登記」です。前者を担うのが土地家屋調査士、後者を担うのが司法書士で、両者は「登記の両輪」と呼ばれるほど密接な関係にあります。
- 表示に関する登記→土地家屋調査士
- 権利に関する登記→司法書士
土地家屋調査士の独占業務
表示に関する登記の申請代理は、あらゆる資格の中で土地家屋調査士にしかできない独占業務です。しかも表示に関する登記は所有者の義務で、1ヶ月以内に申請しないと10万円以下の過料の対象になります。「義務である手続きを独占できる」ことが、この資格の最大の強みです。
土地家屋調査士の将来性
登記の申請自体は書類を作って提出する事務作業ですが、申請書に書く「土地の用途や面積」「建物の種類や構造、床面積」といった情報は、現地に行って調べ、測らなければ得られません。境界の立会いのように、人と人との確認が欠かせない場面もあります。
測量技術がどれだけ進歩しても、その結果が正しいかどうかの判断には、最終的には古い地図や資料を読み解く専門知識が必要です。技術は業務を効率化しても、土地家屋調査士に取って代わることはないでしょう。独占業務であることと合わせて、将来性のある資格といえます。
主な仕事内容
法律で定められた業務は、調査・測量、登記申請の代理、審査請求の代理、筆界特定の代理、境界紛争のADR代理の5つです。筆界特定とADRはどちらも境界トラブルの解決手段なので、あわせて見ていきましょう。
不動産の調査・測量
正確な登記のためには正確な情報が必要です。登記記録をもとに現地で建物の位置を確認し、写真を撮り、所有者にヒアリングをする。ときには明治時代に作られた地図までさかのぼって位置や形を調べます。現地ではトータルステーションという機器を使い、ミリ単位の精度で距離や角度を測定します。
法律職でありながら現地でのフィールドワークが多い、他の法律系資格にはない珍しい仕事です。
表示に関する登記の申請代理
登記の申請は所有者の義務ですが、専門知識も測量技術も必要なため、土地家屋調査士が代理します。扱う登記の種類は多岐にわたります。土地なら、埋立などで新たに土地が生じたときの表題登記や、土地を切り分ける分筆登記。建物なら、新築時の表題登記、増改築時の変更登記、取り壊したときの滅失登記などです。
文字だけでは位置や形状がわからないため、測量結果を図で示した「地積測量図」や「建物図面」「各階平面図」といった図面もCADソフトで作成します。作成した図面は法務局に保存され、不動産取引の場でも使われます。
審査請求手続の代理
登記を申請したのに登記されない、不当な処分をされた。そんなとき所有者は「審査請求」という不服申立てができます。土地家屋調査士はこの手続きも代理できます。
筆界特定・ADRの代理
土地のトラブルで多いのが、隣との境界をめぐる争いです。土地家屋調査士は、公的な境界(筆界)がはっきりしないときに専門家の調査で明らかにする「筆界特定」の手続きを代理できます。
筆界特定で決着がつかず争いになった場合、裁判で解決する方法もありますが、費用も時間もかかります。その手前で、当事者の話し合いによる解決を目指すのが「ADR(裁判外紛争解決手続)」です。この代理も、認定を受けた調査士なら弁護士と共同で行えます。
まとめ
📝 土地家屋調査士の仕事まとめ
・不動産の表示に関する登記を担う専門家(権利の登記は司法書士)
・表示に関する登記の申請代理は調査士だけの独占業務
・登記は所有者の義務。義務を独占できるのが最大の強み
・調査・測量から図面作成、境界トラブルの解決まで業務は幅広い
暮らしの財産を支える、縁の下の力持ちのような仕事です。興味が湧いたら、資格取得への一歩を踏み出してみてください。
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