民間から公務員に転職して後悔したこと3選【実体験で語る良かった点も解説】

こんにちは、まさちゃんです。

今回は民間から公務員に転職して後悔したこと、というテーマでお話ししていきます。

僕は新卒で民間企業に就職し、29歳のときに公務員に転職しました。

その後5年間公務員として働いて退職し、今はまた別の仕事をしています。

民間企業である程度の期間しっかり働いて、体が民間企業仕様に仕上がった状態で、憧れの公務員に転職した経験者です。

転職してからは「公務員最高じゃん」と思う部分が多々あったのは間違いありませんが、反対に「いや、ここは民間企業の方が良かったな」と思う面もありました。

この記事に辿り着いたあなたは、民間企業での今の働き方に疑問を抱いて、盲目的に「公務員になれば幸せになれる」と思ってはいないでしょうか。

これから公務員を目指すあなたに、ぜひ今のうちに知っておいてほしい、公務員の後悔ポイントをお伝えしていきます。

アガルートさんの公務員試験チャンネルで話してます。動画で見たい方はこちらをどうぞ。

目次

なんで民間から公務員に転職する?

後悔の話をする前に、なんで民間企業で働いている人が公務員になりたいと思うのか、本音の部分をお話ししていきます。

まず建前として、僕がエントリーシートや面接で志望動機として答えたのは次のようなことです。

  • 社会に貢献したいから
  • 地元に貢献したいから
  • 国全体に関わる大きな仕事がしたいから

めちゃくちゃオブラートに包んでこんな感じで答えましたが、本音を言うと以下です。

  • 安定してそうだから
  • 給料が高そうだから
  • 休みが取りやすそうだから
  • 残業が少なそうだから
  • ノルマがなさそうだから
  • 穏やかな人が多そうだから
  • 試験勉強を頑張れば誰でもなれそうだから

こんな感じですね。

安定していて給料が高くて休みが取りやすくて残業が少なくてノルマがなくて穏やかな人が多い。

そんな最高の職場に、試験勉強さえ頑張れば入れるのであれば、「ちょっと頑張ってみようかな」と思ったんですよね。

同じような理由で公務員が気になっている方は多いのではないでしょうか。

ですがこれらの良いイメージが膨らみすぎて、公務員になってからそれとのギャップで後悔する人も多いです。

今のうちに、民間から公務員に転職してからの後悔ポイントを知っておくことで、ギャップに苦しまずに安心して公務員を目指せるようになります。

民間→公務員後悔3選

それではここからが本題です。

民間から公務員に転職して後悔すること3選を紹介していきます。

僕が実際に働いてみて、「うわマジかよ」と思ったことの中から、この記事を読んでくださっている方にも降りかかる可能性が高いものを3つ厳選しました。

意外と給料が安い

まず1つ目は、意外と給料が安い、という点です。

公務員というと、給料が高いイメージを持っている人は多いのではないでしょうか。

ですが実際に働いてみると、そんなことはありません。

僕が公務員になって最初に給与明細をもらったとき、金額を見て思ったことは、「安っ」です。

あまりにも安すぎて、多分ちょっと声に出ちゃってたと思います。

もちろんどう感じるかは人それぞれなので、「高い」と思う方もいるかとは思いますが、多くの方は安いと感じるかなと思います。

イメージの話だけをしていても伝わりづらいかと思うので、具体的な金額を出しますね。

僕が公務員になって4年目、32歳のときにもらった給料の手取り、20万円を切っていました。

29歳までは民間企業でしっかり働いていたのに、です。

大学に5年間通ったり、公務員試験の面接ラッシュに備えて正社員からアルバイトに切り替えた時期もありましたが、それ以外は真っ当に正社員として働いていました。

ある程度職歴加算で上乗せしてもらいましたが、それでもこの金額です。

さらに言うと、僕が働いていたのは東京都内です。

公務員には地域手当というものがあり、働いている地域によって基本給に一定割合が加算されます。

例えば東京23区内で働いている場合は20%、僕の地元埼玉県の富士見市では10%、と言った感じです。

僕が働いていたのは23区内ではありませんが都内なので、それなりに地域手当がもらえる地域です。

それなのにこの金額。

32歳でそれなりに職歴のある人間が都内で働いていて手取り20万を切ります。

32歳といえば、民間企業なら部下ができて、食事などをおごって出費がかさむ年齢ですよね。

私生活では結婚して子供がいてもおかしくない年齢です。

それで手取り19万はなかなか厳しいでしょう。

また、都内で一人暮らしをするには生活費が13万円ほどかかるとも言われています。

これに家賃が大体8万、家賃補助を差し引いて5万くらいかかるとすると、合計で支出が18万。

貯金なんてできませんよねこれは。

新卒1年目とかなら分かりますが、32歳です。

いくらなんでも安すぎるなと思いました。

最近は公務員の給料も上がってきて、いくらかマシにはなりましたが、その分物価も上がってますからね。

コンビニのツナマヨおにぎりが150円する時代です。

ミスドのポンデリングは170円になりました。

トータルで見たら、給料が少なくてギリギリで生活することになるのは、昔も今も変わらないでしょう。

とはいえ公務員は働き続けていれば徐々に給料が上がります。

40歳以上になって役職がつくと、上がり幅が加速します。

退職金ももらえるので、若いうちを我慢して乗り切れば生活も安定してくるでしょう。

ちなみに令和6年時点で公務員の平均年収は約684万円です。

普通に恵まれていますね。

人事異動のストレスがやばい

2つ目は、人事異動のストレスがやばい、です。

公務員の職場は、人事異動がとても多いです。

基本的に2〜3年ごとに異動があります。

しかも公務員の異動のきついところは、働く場所が変わるだけではなく、仕事内容も変わるということです。

窓口でお客様対応をしていたのに、いきなり経理に回されたり、保険料の徴収担当に回されたりするわけです。

もちろん異動先の人たちは知らない人たちばかりです。

そんな状況で働くのは本当に大変ですし、ストレスがたまります。

なので人事異動の時期は、結構憂鬱な気分になります。

僕も5年間働いていた中で、大きな異動を2回経験しました。

特に2回目の異動は絶望で、異動していきなり繁忙期、全くやったことない仕事、初めて係長になって部下がいる、という状況。

前日まであんなに生き生きと楽しく働いて定時退庁してプライベートを満喫していたのに、翌日からポンコツ係長になって毎日終電生活でした。

なんだよこの人事異動…

公務員生活で一番、公務員になったことを後悔したのがその時期でした。

公務員として働く以上、人事異動は避けられません。

ですがこの異動の多さにはポジティブな面もあります。

大きく3つです。

1. 色々な仕事が経験できるため、成長できる。

新しいことを経験すると、その分新しい知識が増えます。同じ仕事をずっとしていると、知識も偏りがちですからね。転職せずにいろんな部署を経験できるのは、人間的に成長できるチャンスといえます。

2. 飽きない

同じ仕事をしていると、飽きますよね。飽きるとモチベーションも上がらないので、定期的に異動して新鮮な気持ちで働けるのは、大きなメリットかと思います。

3. 人間関係の悩みが減る

嫌な人と同じ職場になったとしても、2〜3年耐えれば次の人事異動でリセットできます。なんならその嫌な人が1年後に異動してくれるかもしれません。永遠に続く苦しみは耐えられませんが、期限が決まっているなら耐えられます。

というわけで、人事異動の多さには良い面もあるということは知っておいてくださいね。

組織文化の違いに戸惑う

3つ目は、組織文化の違いに戸惑う、です。

民間企業から公務員に転職すると、組織文化の違いに戸惑うことがあります。

特に以下のような点で違いを感じることが多いです。

  • 前例や慣例を重視する傾向が強い
  • リスク回避を優先する意思決定が多い
  • 住民サービスの公平性や公正性を重視するため、柔軟な対応が難しいことがある
  • 結果よりもプロセスや手続きの正当性が重視される

民間企業では「効率性」や「成果」が重視されることが多いかと思います。

ですが公務員の世界では「公平性」「正確性」「透明性」といった価値観が優先されます。

これは公共サービスを提供する上で重要なことですが、民間企業出身者にとってはその違いに戸惑う部分でもあります。

例えば僕が公務員時代にやっていた仕事の1つに、毎日の数字を集計して報告書を作成し、それをFAXで提出する、というものがありました。

「今どきFAXかよ」と思ったので、担当者に「明日からメールで送るんでいいですか?」とメールしました。

そのときに返ってきたメールの内容が結構衝撃でした。

「今までもFAXだったので、今後もFAXでお願いします。」

絶句しました。

FAXで送るとなると、パソコンで作成した報告書を一回印刷しないといけません。

そしてFAXを送った後は、その紙は不要なのでシュレッダー行きです。

メールに添付してポチッとしたら送れるのに…

無駄な工程が多いですし、紙も勿体無いですよね。

「おかしいじゃないですか」と言う言葉がここまで出てきていたのですが、なんとか飲み込みました。

先ほどもお伝えしたとおり、公務員の職場は前例を踏襲して、リスク回避を重視する傾向が強いです。

これまでも何も起きなかったんだから、変える必要ないじゃん。

と言う考えです。

うまくいっているものをさらに良くしよう、ではなく、うまくいっているから変えない方がいい。

何かを変えるには、リスクもありますからね。

確かにその考え方にも一理あります。

民間企業から公務員に転職すると、「もっと効率的にできるのに」「なんでこんな面倒くさいことやるんだ」「細かすぎる」と感じることも少なくありません。

その組織文化の違いに馴染めずに、公務員になったことを後悔する方もいるでしょう。

公務員に転職してよかったことある?

さて、ここまでネガティブな話をし続けてしまったので、少しポジティブな話をします。

公務員に転職して良かったと思うこともたくさんあります。

有給が取りやすい

有給はかなり取りやすいですね。

僕の職場では、マンスリー休暇と言って月に1回の有給取得が推奨されていました。

上司からも有給は積極的に取るように言われます。

なので公務員になって最初の月にいきなり有給を取りました。

その後も継続的に月1で有給をとっていましたね。

取得理由とかも聞かれませんし、1日単位じゃなくて時間単位で有給取得もできます。

2時間休をとって、映画を1本観て帰る、みたいなこともしていました。

飲み会の翌日に午前休を取るとかも普通にしてました。

もちろん業務の都合上有給が取れない日もあったりしますが、それでも有給の取りやすさはさすが公務員、と感じました。

福利厚生が充実している

有給以外の福利厚生面も充実していました。

夏季休暇や年末年始休暇はもちろんあります。

扶養手当や通勤手当、賃貸物件に住んでいる場合には住宅手当もあります。

全員が入れるわけではありませんが、格安で入居できる公務員宿舎もあります。

怪我や病気で療養が必要になったときに使える病気休暇、子供の看病や親族の不幸などのときに使える特別休暇もたくさんあります。

育休の取得率も高いです。

この点もさすが公務員、ですね。

安定している

公務員が安定している、という話もよく聞きますが、これも間違いないですね。

余程のことをやらかさない限りクビになることがないので、将来設計を立てやすいです。

年功序列の色が強いので、続けていれば徐々に給料が上がりますし、役職も上がっていきます。

公務員の給与は民間企業に合わせて毎年改定されるので、いきなり低賃金になることもないです。

退職金もしっかりもらえますからね。

将来入ってくる収入をイメージしながら、それに合わせてライフプランを立てられます。

飛び抜けて贅沢な生活はできませんが、安定した人生が送れることは間違いないです。

人間関係が穏やか

公務員の人間関係は、民間よりも穏やかだと感じました。

先ほど公務員は年功序列、という話をしましたが、その影響もあってかガツガツ上を目指そうという方は少なかったです。

優しい人が多い、とでも言いましょうか。

もちろん全員が全員そうかと言われたらそうではありません。

いきなりブチギレてくる人、悪口ばかり言っている人、ガツガツ数字を追い求めて上を目指している人、います。

ですが数が圧倒的に少ないです。

僕はこれまでにたくさんの職場で働いてきましたが、公務員ほど穏やかな職場は経験したことがありません。

まとめ

ということで今回は「民間から公務員に転職して後悔したこと」というテーマでお話ししてきましたが、いかがだったでしょうか?

今回の内容を簡単におさらいしていきましょう。

民間から公務員に転職した際の後悔ポイントは3つです。

  • 意外と給料が安居
  • 人事異動のストレスがやばい
  • 組織文化の違いに戸惑う

しかし同時に、公務員に転職して本当に良かったと思う部分もたくさんあって、4つ紹介しました。

  • 有給が取りやすい
  • 福利厚生が充実している
  • 安定している
  • 人間関係が穏やか

民間企業で培った経験や価値観を持ったまま公務員になると、驚くことや戸惑うこともあるでしょう。

ですがその両方の世界を知っているからこそ、視野が広がり、それが強みになる部分もあるはずです。

ちなみに僕は、今回ご紹介した後悔ポイントと良かった点を総合して、公務員に転職して本当に良かったと思っています。

その後にやりたいことを見つけたため退職しましたが、新たな挑戦をする自信も、きっと公務員試験に合格した経験から来ているんだと思います。

合格までは長く、険しい道のりですが、合格後には素敵な公務員ライフが待っています。

ぜひチャレンジしてみてください。

皆さんの合格を心から願っています。

このブログには、他にも公務員関連の記事がたくさんあります。以下からどうぞ。

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