地方創生に関わる公務員のリアル【仕事の大変さとやりがい・成功事例を紹介】

地方創生に関わりたいけど、どうすればいいんだろう…公務員の地方創生への関わり方を、具体的に知りたいなあ…

こんにちは、まさちゃんです。

今回は「公務員の地方創生のリアル」というテーマでお話ししていきます。

「地方を盛り上げたい」「故郷に恩返しがしたい」という想いで公務員を目指す方、最近増えてますよね。

ですが実際に公務員が地方創生でどんな役割を果たしているのか、現場ではどんなことが起きているのか、意外と知られていない部分が多いです。

具体的にどんな地方創生プロジェクトがあるのか知りたい、という方もいらっしゃると思うので、その辺りを詳しく解説していきます。

アガルートさんの公務員試験チャンネルで話してます。動画で見たい方はこちらをどうぞ。

目次

そもそも地方創生とは?

まず「地方創生って結局何なの?」という疑問から解決していきましょう。

地方創生は簡単に言うと「地方を元気にする取り組み全般」です。

日本全体で見ると、東京一極集中が進んでいます。

若い人がどんどん東京に出て行って、地方に残るのは高齢者ばかり。

こうなると地方の経済は回らなくなりますし、最終的には自治体の運営すら危うくなってしまいます。

実際に「消滅可能性自治体」なんて言葉もありますよね。

このままいくと人口が減りすぎて、自治体として機能しなくなる可能性がある市町村のことです。

そこで国が「これはまずい」ということで、本格的に取り組み始めたのが地方創生です。

ですが地方創生と一言で言っても、やることは本当に幅広いです。

人口を増やすことから始まってですね、働く場所を作ること、観光客を呼び込むこと、地域の魅力を発信すること、子育て環境を整えること…

みたいな感じで、本当に様々なアプローチがあります。

そして、これらの取り組みの中心にいるのが公務員です。

民間企業やNPOも頑張っていますが、やっぱり公務員が司令塔的な役割を果たすことが多いですね。

なぜかというと、公務員は地域全体を見渡せる立場にあるからです。

民間企業だと自分の会社の利益を考えなければいけませんが、公務員は地域全体の利益を考えて動けます。

また、予算を使って政策を実行できる権限もあります。

こういった理由で、地方創生において公務員の役割はめちゃくちゃ重要なんですね。

地方創生に関わる公務員のリアル

それでは、実際に地方創生に関わる公務員がどんな働き方をしているのか、リアルな部分をお話ししていきたいと思います。

地方創生の現場は想像以上に大変

まず最初に言っておきたいのは、地方創生の現場は想像以上に大変だということです。

「地域を盛り上げる仕事」って聞くと、なんとなく楽しそうなイメージを持つ方も多いと思うんですが、現実はそんなに甘くありません。

例えば、新しい観光スポットを作ろうと思ったとき。

まず住民の合意を得る必要がありますよね。

「そんなもの作って本当に効果があるのか?」とか「税金の無駄遣いじゃないのか?」という声も出てきます。

こういった住民の方々を一人一人説得していくのは、本当に根気のいる作業です。

それから予算の問題もあります。

やりたいことはたくさんあっても、使える予算は限られています。

「あれもこれもやりたいけど、お金がない」という状況は日常茶飯事です。

さらに、成果が出るまでに時間がかかるのも地方創生の特徴です。

今年始めた取り組みが成果として現れるのは、早くても数年後とか。

場合によっては10年、20年かかることもあります。

それでも公務員が地方創生をやる意味

じゃあなぜ公務員が地方創生に取り組むのか。

それは、公務員にしかできない役割があるからです。

一番大きいのは「調整役」としての機能ですね。

地方創生って、一つの部署だけでできることではないです。

複数の部署が連携する必要がありますし、民間企業やNPO、住民の方々とも協力しないと成立しません。

この全体の調整をするのが公務員の重要な役割です。

利害関係が異なる様々な主体をまとめて、一つの方向に向かわせる。

これは民間企業にはなかなか難しい役割ですよね。

それから「継続性」も公務員の強みです。

民間企業だと社長が変わったり、経営方針が変わったりすると、それまでの取り組みがストップしてしまうことがあります。

ですが公務員なら、長期的な視点で継続して取り組むことができます。

具体的にどんな部署で働くのか

地方創生に関わる公務員の働き方を、もう少し具体的に見ていきましょう。

企画部門系の部署

まず、企画政策課や地域振興課といった企画部門系の部署があります。

ここは地方創生の司令塔的な役割を果たします。

地域全体の将来計画を立てたり、他の部署や外部機関との調整をしたりします。

この部署で働く公務員は、会議が多いのが特徴です。

住民説明会、庁内会議、関係機関との打ち合わせなどなど。

一日の大半が会議で埋まることも珍しくありません。

でも、その分やりがいも大きいです。

自分が企画した政策が実現して、地域が少しずつ変わっていく様子を見ることができますからね。

産業振興系の部署

次に、商工課や観光課といった産業振興系の部署です。

ここでは地域の経済を活性化させる仕事をします。

具体的には、地元企業への支援制度を作ったり、新しい産業を誘致したり、観光PR活動をしたりします。

民間企業との接点が多いのが特徴ですね。

この部署で働く公務員は、数字との向き合いが重要になります。

観光客数とか、企業の売上とか、雇用者数とか、様々なデータを分析して、効果的な政策を考える必要があります。

住民サービス系の部署

そして福祉課や子育て支援課といった住民サービス系の部署も、地方創生に重要な役割を果たします。

子育て環境や高齢者サービスが充実していないと、人は住み続けてくれませんからね。

この部署で働く公務員は、住民の方との直接的なやり取りが多くなります。

窓口対応や家庭訪問など、人と人とのコミュニケーションが中心の仕事です。

国家公務員の場合は?

最後に、国家公務員が地方創生にどう関わるかも説明しておきます。

国家公務員の場合、大きく分けて二つのパターンがあります。

一つは中央官庁で地方創生の政策を企画・立案する仕事です。

各地域からの要望を聞いて、全国的な制度を作ったり、予算を配分したりします。

全国を見渡せる立場なので、成功事例を他の地域に横展開するような役割も果たします。

もう一つは地方に出向して、現場で直接地方創生に関わる仕事です。

最近は「地方創生人材支援制度」なんかもあってですね、中央官庁の職員が地方自治体で働くケースも増えています。

国家公務員の強みは、やっぱり予算規模の大きさと、全国ネットワークを活かせることですね。

一つの自治体だけでは解決できない課題も、国のレベルで取り組むことで解決できることがあります。

地方創生に関わる公務員のキャリア

地方創生に関わる公務員のキャリアについても触れておきます。

公務員は基本的に2〜3年で異動があるので、ずっと地方創生の仕事だけをするわけではありません。

ですが一度地方創生に関わった経験があると、その後のキャリアでもその経験が活かされることが多いです。

例えば、予算編成の部署に異動になったときとかですね、地方創生の現場を知っていると、より現実的な予算配分ができます。

人事課に異動になったときとかも、地方創生に必要な人材がどういう人なのか、というのを理解した上で、採用や配置を考えることができます。

つまり、地方創生の経験は、公務員としてのキャリア全体に活かせる貴重な経験になるということです。

地方創生の成功事例紹介

それでは、実際に地方創生が成功している事例を見ていきましょう。

ここでは公務員がどのような役割を果たしたのかに注目して、2つの事例を紹介します。

北海道東川町【写真の町としてのブランド化】

まず紹介するのは、北海道東川町の事例です。

東川町は人口約8,000人の小さな町なんですが、「写真の町」としてブランド化に成功して、移住者や観光客を増やすことができました。

この取り組みで注目したいのは、公務員の発想の転換です。

普通なら「何もない田舎町」と思われがちな東川町ですが、町役場の職員が「美しい自然景観こそが最大の資源だ」と考えたんです。

そこで「写真の町」という独自のコンセプトを打ち出しました。

写真コンテストを開催したりとか、写真展を定期的に実施したりとか、写真愛好家を対象としたイベントを企画したりしました。

最初は小さな取り組みだったんですが、徐々に話題になってですね、全国から写真愛好家が訪れるようになったんですね。

そして写真目的で訪れた人の中からですね、「こんな美しいところに住んでみたい」と思う人が現れて、移住につながったと、いうことです。

この事例の公務員の役割で特に重要だったのは「継続性」ですね。

実はこの取り組みは、最初の数年は目立った成果が出ませんでした。

ですがそこで諦めずに町役場の職員が続けたことで、徐々に認知度が上がっていきました。

これが民間企業だったらね、すぐに結果が出ないと事業を続けられなくなってしまうこともあると思います。

公務員だからこそ長期的な視点で取り組むことができたと、いうことですね。

島根県海士町【離島の挑戦】

次に紹介するのは、島根県海士町の事例です。

海士町は隠岐諸島にある人口約2,300人の離島です。

典型的な過疎地域だったんですが、町役場が中心となって大胆な改革に取り組みました。

この事例で注目したいのは、公務員の「リーダーシップ」です。

当時の町長をはじめとする町役場の職員がですね、「このままでは町が消滅してしまう」という危機感を持って、思い切った政策を次々と実行しました。

具体的にはですね、町職員の給与カットから始まりまして、高校魅力化プロジェクト、特産品開発、都市部からの人材誘致など、様々な施策を同時並行で進めました。

特に印象的なのは、高校の魅力化プログラムです。

離島の高校って普通は生徒数が減って廃校の危機に瀕するものなんですが、海士町では逆に全国から生徒を集めてV字回復を果たしました。

「島留学」という仕組みを作ってですね、都市部の高校生が海士町の高校で学べるようにしたんですよね。

そうすると、島外から来た高校生の保護者も移住してくるので、人口も、増加しました。

この事例で公務員が果たした役割は「変革のリーダーシップ」ですね。

従来の発想にとらわれずに、新しいことにチャレンジする姿勢が成功につながりました。

成功事例から学べること

これらの成功事例から、地方創生に関わる公務員にとって重要なことが見えてきます。

一つは「地域の資源を新しい視点で見直すこと」です。

東川町の自然景観も、海士町の離島という立地も、見方を変えれば大きな魅力になるということですね。

もう一つは「長期的な視点で取り組むこと」です。

どちらの事例も、短期間で成果が出たわけではありません。

数年、場合によっては10年以上かけて、徐々に成果を積み上げていきました。

そして最後に「関係者を巻き込むこと」です。

公務員だけでできることには限界があります。

住民、民間企業、NPO、さらには都市部の人たちまで、様々な人を巻き込んで初めて大きな成果が生まれます。

まとめ

ということで、今回は「公務員の地方創生のリアル」というテーマでお話ししてきました。

地方創生は大変な仕事です。

住民の理解を得て、限られた予算で、試行錯誤して頑張っても、なかなかすぐには結果が出ない。

ですがだからこそ、やりがいを感じられる部分でもあります。

自分たちの努力で地域が少しずつ変わっていく。

そのプロセスに関われるのは、公務員の大きな魅力の一つだと思います。

地方創生に関わる公務員の役割は、今後ますます重要になってきます。

日本全体の人口減少が進む中で、地方をどう活性化していくかは、国レベルの重要課題ですからね。

「地方を盛り上げたい」「故郷に恩返しがしたい」という想いを持っている方には、公務員は本当におすすめの選択肢です。

というわけで、今回は以上になります。

このブログには、他にも公務員関連の記事がたくさんあります。以下からどうぞ。

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