【公務員試験】国家公務員一般職の採用までの流れ【日程・科目・倍率・年齢制限などまとめ】

こんにちは、まさちゃんです!

いつも当ブログをご覧いただき、ありがとうございます。

今回は「国家一般職(大卒)の採用までの流れ」というテーマで、試験日程や出題科目、過去の実施状況などを1記事にまとめました。

この記事の内容

  • 国家一般職(大卒)の採用までの流れが知りたい。
  • 国家一般職(大卒)の試験内容が知りたい。
  • 国家一般職(大卒)の過去の実施結果が知りたい。

こういった疑問が解消できます。

国家一般職(大卒)にはいくつか試験区分がありますが、今回は事務職についてをメインにまとめています。ご了承ください。

簡単に自己紹介

  • この記事を書いている僕は、29歳のときに国家公務員一般職の試験に合格し、地方出先機関で5年間働きました。
  • そのときの経験をもとに記事を書いているので、これから受験する方々の参考になるようなリアルな情報をお伝えできるかと思います。

実際に国家一般職(大卒)の公務員試験を受験し、内定をもらった経験をもとにこの記事を書いています。公務員試験については熟知している人間が書いた記事なので、内容は信頼していただいて大丈夫です。

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目次

【令和6年度】国家一般職の採用までの流れ

まずは国家一般職の採用までの流れについて説明します。

採用されるまでには大まかに以下の2つが必要です。

  • 国家公務員一般職試験に合格する
  • 官庁訪問に参加して内々定をもらう

試験に合格するのは大前提で、さらに希望する官庁に訪問して面接などを受け、そこを通過してようやく内定がもらえる、という流れになります。

ちなみに第1志望の官庁で内々定がもらえなかったとしても、第2志望以下の官庁に訪問することが可能です。

【令和6年度】国家一般職の日程

続いて国家一般職(大卒)試験のスケジュールを見ていきましょう。

今年度の試験は以下の日程で実施されます。

国家一般職(大卒)日程
受付期間2月22日(木)〜3月25日(月)受信有効
1次試験日6月12日(日)
1次合格発表6月26日(水)
官庁訪問7月2日(火)〜
2次試験日7月10日(水)〜7月26日(金)
1次試験合格通知書で指定する日時
最終合格発表日8月13日(火)9:00

受験申込は2月22日から受付開始で、3月25日が締め切り。6月12日に1次試験があり、最終的に合格発表があるのは8月13日というスケジュールです。

とはいえ最終合格発表の時点で採用が決まるかどうかは人によりますね。先ほども説明した通り、「官庁訪問」があるので。

表の通りでして、官庁訪問は1次合格発表の6日後から始まります。

そこで早めに内々定をもらっていれば、「最終合格発表=内定」という感じ。

最終合格発表日までに官庁訪問で内々定がもらえていなければ、その後も官庁訪問を続ける必要があります。

  • なので最終合格したとしても、官庁訪問で内定をもらえなければ、国家一般職の職員として働くことはできないということになります。
  • 反対に官庁訪問で内々定が出たとしても、最終合格発表で不合格になってしまえば同じく採用されないということですね。

最初に説明した通り、「国家一般職の試験合格」+「官庁訪問での内々定」の2つが揃って初めて採用が決まります

ちなみにこの官庁訪問、スケジュール調整がとても難しいです。

初日の午前に第一志望の官庁訪問を予約、午後に第二志望を予約したとして、午前中に予約した官庁から「午後もう1回面接したい」とか言われる可能性もあります。

この辺りは省庁によってやり方が異なるので、事前にHPを確認するのはもちろん、できれば予備校などで情報収集しておくのがおすすめですね。

官庁訪問のルールやスケジュールについては「人事院作成の官庁訪問ガイド」でも説明されています。こちらも一度は目を通しておくと良いかと思います。

【令和6年度】国家一般職の年齢制限

続いて気になる年齢制限についてです。

今年度の受験案内には次のように書かれています。

1 1994(平成6)年4月2日~2003(平成15)年4月1日生まれの者
2 2003(平成15)年4月2日以降生まれの者で次に掲げるもの
(1) 大学を卒業した者及び2025(令和7)年3月までに大学を卒業する見込みの者並びに人事院がこれらの者と同等の資格があると認める者
(2) 短期大学又は高等専門学校を卒業した者及び2025(令和7)年3月までに短期大学又は高等専門学校を卒業する見込みの者並びに人事院がこれらの者と同等の資格があると認める者

人事院発表の受験案内より

こんな感じです。

一言でまとめると以下ですね。

  • 30歳までの人

若い人でも実力があれば特例で受験できるとのことですが、この辺は飛び抜けて優秀な人じゃない限り気にする必要はなさそうです。

【令和6年度】国家一般職の採用予定数

採用予定数についても見ていきましょう。

今年度の採用予定数は以下の通り。

職種採用予定数
行政(本府省)約770名
行政(北海道)約180名
行政(東北)約250名
行政(関東甲信越)約660名
行政(東海北陸)約330名
行政(近畿)約430名
行政(中国)約250名
行政(四国)約140名
行政(九州)約300名
行政(沖縄)約70名

行政職の試験は地域ごとに分けて行われます。

それぞれの地域で採用人数が違うので、倍率も違ってくるということになりますね。

基本的には地元で受験するのがいいと思いますが、倍率の低い地域を狙って受験する作戦ももちろんありです。記事の後半で倍率についてもまとめているので、参考にしてみてください。

ちなみに「本府省」の採用は関東甲信越地域からが中心になりますが、それ以外の地域からも普通に採用されます。なので倍率の低い地域で合格を勝ち取って、本府省に官庁訪問に行って内定を目指すという道もありますね。

【令和6年度】国家一般職の試験科目

次は試験の内容について具体的に見ていきましょう。

行政職の試験は以下のような内容になっています。

国家一般職(大卒・行政)試験内容試験詳細
1次試験基礎能力試験■内容
公務員として必要な基礎的な能力(知能及び知識)についての筆記試験
■出題形式
多肢選択式
■出題数
30題
■試験時間
1時間50分
■出題分野
①知能分野24題
文章理解10、判断推理7、数的推理4、資料解釈3
②知識分野6題
自然・人文・社会に関する時事、情報6
専門試験■内容
各試験の区分に応じて必要な専門的知識などについての筆記試験
■出題形式
多肢選択式
■出題数
80題出題
16科目(各5題)から8科目を選択し、計40題解答
■試験時間
3時間
■出題分野
政治学、行政学、憲法、行政法、民法(総則及び物権)、民法(債権、親族及び相続)、ミクロ経済学、マクロ経済学、財政学・経済事情、経営学、国際関係、社会学、心理学、教育学、英語(基礎)、英語(一般)
一般論文試験■内容
文章による表現力、課題に関する理解力などについての短い論文による筆記試験
■出題数
1題
■試験時間
1時間
2次試験人物試験■内容
人柄、対人的能力などについての個別面接

1次試験は基礎能力試験、専門試験、一般論文試験の3つが課されます。基礎能力試験というのはいわゆる「教養試験」のことですね。

そして2次試験の人物試験は「個別面接」になっています。

それぞれの試験について、もう少し深堀りしていきます。

基礎能力試験

まずは基礎能力試験(教養試験)について。

教養試験は高校レベルの国数英理社を中心に、芸術や時事問題などまで幅広い知識を問われる試験です。5択の中から1つを選択する形式で出題されます。

鬼門となるのは数的処理系の科目で、国家一般職の場合は判断推理7問、数的推理4問、資料解釈3問と、合計で14問出題されます。

教養試験のボーダーは6割程度と言われているので、数的処理の出来が合否に直結すると言っても過言ではないですね。しっかり対策をしておきましょう。

その他の科目も含め、教養試験の重要科目や勉強方法は、以下の記事「【教養試験】公務員試験の科目【合格ラインは意外と簡単に超えられます】」にまとめています。

よろしければどうぞ。

専門試験

次に専門試験です。

大学で学ぶような専門的な内容を問われる試験でして、配点が高く、国家一般職の試験の中では「最重要」と言える試験になります。

国家一般職試験の配点比率は以下の通りです。

配点比率

  • 基礎能力試験:2/9
  • 専門試験:4/9
  • 一般論文試験:1/9
  • 人物試験:2/9

こんな感じで、最も配点が高いことがはっきりわかりますね。

教養試験や人物試験の2倍の配点になっています。

とにかく科目数が多く、対策に時間がかかるので、早めに学習を始める必要がありますね。

16科目(1科目あたり5問)の中から好きな8科目を選択し、40題に解答していきます。

専門試験のボーダーは7割くらいです。はっきりとした数字が示されているわけではありませんが、多くの予備校でも言われている数字なので、この数字を目指すといいでしょう。

法律系科目と経済系科目を中心に学習を進めていきましょう。

専門試験についても別記事「【専門試験】公務員試験の科目【科目をしぼれば合格ラインは超えは余裕です】」に学習方法をまとめています。気になる方はチェックしてみてください。

一般論文試験

次に論文試験についてです。

配点比率が低いので軽視しがちですが、あまりにもひどい論文を書いてしまうと、その他の試験でどれだけ高得点だったとしても不合格(足切り)になってしまうので注意が必要です。

といっても、よほどひどくない限り足切りにはかかりませんけどね。誤字脱字が多すぎたり、文字数が極端に少なかったら危ないですが、そうでない限りは問題ないです。

過去問などを見て、5回くらい自分で書いておけば、本番でも書けますよ。

国家一般職の論文は文字数制限がないので、一概にこのくらい書けば大丈夫という基準はありませんが、1200文字程度書いておけば問題ないでしょう。

ちなみに僕は本当にクソッタレな論文を1200文字ジャストくらいの文字数で書いて提出しました。同じこと何回も書いてるし、最後のまとめがショボいし…

まじで落ちたかと思いましたが、無事に平均点くらい取れてましたので、本当によほどのことがない限り足切りにはならないと感じました。

人物試験

そして最後の関門、人物試験(面接)についてです。

僕が受験したときは個別面談で、試験官は2人でした。

難しいことは特に聞かれなかったので、爽やかな雰囲気を醸し出しておけば大丈夫です。

試験官によって差がつかないように、無難な質問で統一している感はありましたね。

笑顔で大きな声で受け答えできればひどい評価にはならないでしょう。

令和5年度までの実施結果

参考までに、過去の国家一般職試験の実施結果を載せておきます。

2023年度

2023年度(行政)申込者数1次試験受験者数1次試験合格者数最終合格者数倍率
北海道1,003名798名599名457名1.7倍
東北1,602名1,221名823名594名2.1倍
関東甲信越8,476名5,787名2,845名2,098名2.8倍
東海北陸2,523名1,922名1,068名712名2.7倍
近畿3,132名2,312名1,164名822名2.8倍
中国1,363名1,071名804名580名1.8倍
四国962名764名469名360名2.1倍
九州2,645名1,994名1,115名692名2.9倍
沖縄610名449名238名161名2.8倍

2022年度

2022年度(行政)申込者数1次試験受験者数1次試験合格者数最終合格者数倍率
北海道1,017名762名650名470名1.6倍
東北1,535名1,176名831名559名2.1倍
関東甲信越9,204名6,357名2,565名1,844名3.4倍
東海北陸2,568名2,038名1,039名749名2.7倍
近畿3,291名2,490名1,020名794名3.1倍
中国1,635名1,316名721名495名2.7倍
四国1,003名779名479名323名2.4倍
九州2,703名2,142名1,092名734名2.9倍
沖縄755名558名174名131名4.3倍

2021年度

2021年度(行政)申込者数1次試験受験者数1次試験合格者数最終合格者数倍率
北海道991名778名585名387名2.0倍
東北1,600名1,245名711名479名2.6倍
関東甲信越8,753名6,258名2,531名1,825名3.4倍
東海北陸2,646名2,157名1,002名700名3.1倍
近畿3,098名2,357名1,012名720名3.3倍
中国1,538名1,285名737名537名2.4倍
四国1,027名816名411名275名3.0倍
九州2,628名2,039名1,074名618名3.3倍
沖縄794名637名152名101名6.3倍

2020年度

2020年度(行政)申込者数1次試験受験者数1次試験合格者数最終合格者数倍率
北海道1,035名656名535名314名2.1倍
東北1,652名1,023名645名325名3.1倍
関東甲信越9,382名5,378名2,310名1,572名3.4倍
東海北陸2,761名1,761名939名518名3.4倍
近畿3,265名1,966名948名566名3.5倍
中国1,500名938名716名480名2.0倍
四国1,020名633名430名248名2.6倍
九州2,821名1,776名933名605名2.9倍
沖縄744名492名209名143名3.4倍

2019年度

2019年度(行政)申込者数1次試験受験者数1次試験合格者数最終合格者数倍率
北海道1,074名848名581名393名2.2倍
東北1,634名1,275名693名473名2.7倍
関東甲信越10,146名7,212名2,565名1,792名4.0倍
東海北陸2,655名2,177名1,135名770名2.8倍
近畿3,442名2,624名873名641名4.1倍
中国1,535名1,235名629名486名2.5倍
四国1,049名843名353名231名3.6倍
九州2,784名2,225名944名689名3.2倍
沖縄769名600名252名200名3.0倍

地域によってかなりの倍率差がありますね。

関東甲信越地域や近畿地域などの大都市圏では、倍率が高くなる傾向にあります。

とはいえ近年は受験者数の減少が影響し、倍率も低下してきていますね。

昨年度はどの地域でも3倍を切るという低倍率でした。

かなり合格しやすい試験と言えます。

国家一般職の初任給

気になる初任給についても見ていきましょう。

行政職の初任給は以下の通りです。

約196,200円(地域手当なし地域)

令和6年4月1日の給料月額が上記です。

「約」とつけたのは、令和6年度の試験を受験する方が採用される令和7年の時点で、初任給が変動している可能性があるため。

公務員の給与は民間企業の給料に影響を受けるので、1年後も同じ金額とは限りませんよね。

多少の上下はありますが、大体このくらいの給料なんだと思っておいてください。

また、公務員の給与には「地域手当」と呼ばれる手当がありまして、働いている地域によって自動的に一定の割合が加算されます。

例えば東京23区内で働く場合には地域手当が20%加算され、以下が初任給となります。

235,440円(特別区内勤務)

東京は家賃も物価も高いので、その調整みたいな感じです。

その他にも1〜20%の間で地域手当が加算される地域があります。

地域手当以外の手当については「国家公務員の諸手当の概要(人事院)」にわかりやすくまとめられていたので、詳しくはそちらをどうぞ。

国家公務員の諸手当の概要(人事院)

国家一般職の問題例

国家一般職(大卒)の試験問題例が「国家公務員試験採用情報NAVI」に掲載されていました。

問題のレベル感など参考になるかと思うので、気になる方はこちらもチェックしておくといいかと思います。

国家一般職(大卒)の問題例

【令和6年度】国家一般職まとめ

というわけで今回は「国家公務員一般職(大卒)試験」について、詳細をまとめました。

採用までの流れや試験の内容など、具体的にイメージはできましたでしょうか。

国家一般職は「専門試験の比重が高い試験」です。ここでどれだけ得点できるかが、合否を左右する最大のポイントになります。

また、他の公務員試験と比較すると「面接の比重が低い試験」であるとも言えます。面接が苦手な人にとっては狙い目な試験ですね。

倍率もそこまで高くないので、ぜひチャレンジしてみてください!

今回は以上になります。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

みなさんの合格を心よりお祈りしております。

追伸

この記事が役に立ったと思った方は、SNSなどでシェアしていただけると嬉しいです。一人でも多くの方に、公務員試験のリアルな情報が届きますように!

また、この記事を読んで公務員になりたいと思った方には、「公務員になるには【半年で安定を勝ち取るために今あなたがやるべきこと】」の記事が参考になるかと思います。

僕の元公務員としての経験や、現在のキャリアアドバイザーとしての知識をもとに書きました。

「将来が不安だなぁ…」と漠然と感じていた20代の僕を救い出してくれたのが公務員試験です。公務員試験への感謝の気持ちも込めて書いた記事です。

過去の僕と同じように将来に不安を感じている多くの方に、この記事が届くことを願っています。

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