行政書士試験には、総合点が足りていても不合格になる「足切り(基準点)」のルールがあります。この記事では足切りの仕組みと、足切りを回避する方法を解説します。
足切りとは?3つの基準点がある
足切りとは、分野ごとに設定された基準を1つでも下回ると、他でどれだけ得点していても不合格になるルールです。行政書士試験の基準点は以下の3つです。
- 法令等科目:122点以上(244点満点の50%)
- 基礎知識等科目:24点以上(56点満点の40%)
- 記述式以外:120点以上(240点満点の50%)
これらすべてを満たしたうえで、総合180点以上を取ると合格になります。配点の全体像は以下のとおりです。
| 科目 | 出題形式 | 配点 | 足切り点 |
| 法令等 | 択一式・多肢選択式・記述式 | 244点 | 122点 |
| 基礎知識等 | 択一式 | 56点 | 24点 |
| 合計 | 60問 | 300点 | 180点で合格 |
足切りで不合格になる3つのパターン
パターン1:基礎知識が24点未満
もっとも典型的な足切りです。法令等科目で満点近く取っていても、基礎知識等科目(14問中6問正解=24点)を下回れば不合格になります。法令の勉強に集中するあまり基礎知識を後回しにすると、このパターンに陥りやすくなります。
パターン2:記述式以外が120点未満
記述式以外の合計240点のうち120点に届かない場合、記述式は採点すらされません。仮に記述式が満点(60点)でも、120点未満+60点では合格点の180点に届かないため、採点する意味がないからです。記述式での逆転に期待する戦略は成り立たないと理解しておきましょう。
パターン3:基準点は超えたが180点に届かない
厳密には足切りではありませんが、注意すべき落とし穴です。法令等122点+基礎知識24点=146点では、合格点に34点足りません。また基礎知識等科目は満点でも56点なので、法令等科目では実質124点以上が必要です。規定上の足切りは122点ですが、実質的なラインは124点と考えましょう。
「基準点を超えること」と「合格点に届くこと」は別問題です。足切り回避はスタートラインにすぎません。
足切りを回避する戦略
基礎知識等科目:一般知識以外で稼ぐ
基礎知識等科目の内訳は、一般知識20〜24点(5〜6問)・諸法令8点(2問)・情報通信・個人情報保護12〜16点(3〜4問)・文章理解12点(3問)です。配点がもっとも大きい一般知識は出題範囲が広く、対策が得点に結びつきにくいため、重点対策は非効率です。
足切りライン6問の現実的な内訳は以下のイメージです。
- 文章理解で3問
- 情報通信・個人情報保護で1問
- 諸法令で1問
- 一般知識で1問
法令等科目:民法・行政法を最優先にする
民法(76点)と行政法(112点)の合計は188点で、これだけで300点満点の60%を超えます。この2科目を固めれば、法令等科目の足切り突破はもちろん、合格点への道筋も見えてきます。実務でも中心となる科目なので、力を入れる価値は十分にあります。
次に優先すべきは憲法(28点)です。配点が民法・行政法に次いで高く、条文と基本判例を押さえれば得点に結びつきやすい科目です。民法・行政法は難問も出るため、他科目を完全に捨てるのは避けましょう。
まとめ
📝 行政書士試験の足切りまとめ
・足切りは法令122点・基礎知識24点・記述式以外120点の3つ
・記述式以外が120点未満だと記述式は採点されない
・法令等科目の実質ラインは124点と考える
・基礎知識は文章理解を軸に6問、法令は民法・行政法を最優先
行政書士試験では、特定科目の高得点よりも基準点をすべて満たすバランスが重要です。足切りの仕組みを理解したうえで、合格から逆算した学習計画を立てましょう。
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