こんにちは、まさちゃんです。
今回は「人が辞めないのはどっち?民間企業 VS 公務員」というテーマでお話ししていきます。
公務員は離職率が低いっていう話を聞いたことある人は多いかと思います。
安定していて長く働ける職場というイメージがありますよね。
ですが一方で、最近は「公務員離れ」という言葉も耳にするようになって、ちょっと不安に感じている方もいらっしゃるかと思います。
実際のところ、民間企業と公務員、どっちの方が定着率が高いのか。
今回は国が公表しているデータをもとに、離職率を徹底比較していきます!
それでは本題に入っていきます!
離職率調査

それでは早速、民間企業と公務員の離職率を比較していきましょう。
今回使用するデータは、国が公表している信頼性の高いデータです。
民間企業については、厚生労働省の「雇用動向調査」、公務員については総務省の「地方公務員の退職状況調査」を使用します。
最初に補足しておくと、この2つの調査は、データの取得方法や対象者が完全に同じではありません。
多少比較条件が変わる部分があるということを念頭において、ご覧いただければと思います。
民間企業の離職率
まず民間企業の離職率を見ていきましょう。
こちらですね。
厚生労働省の雇用動向調査から、「一般労働者」、つまりパートで働いている人とかを除いた正規雇用者のみのデータです。
- 令和2年:10.7%
- 令和3年:11.1%
- 令和4年:11.9%
- 令和5年:12.1%
ここ数年で徐々に上昇傾向にありまして、最新の令和5年は12.1%となっています。
つまり正規雇用者の約8人に1人が、年間で離職していると、いうことになります。
この数字を見て、みなさんどうですか?
僕は結構高いなという印象ですね。
転職が当たり前の時代になっているとはいえ、やはり1年で8人に1人が辞めているというのは、多いですよね。
地方公務員の離職率
続いて地方公務員の離職率です。
こちらは総務省の地方公務員の退職状況調査から、「一般行政職」のデータを見ていきます。
- 令和2年:1.7%
- 令和3年:1.9%
- 令和4年:2.3%
- 令和5年:3.4%
公務員も近年少し上昇傾向にはありますが、それでも最新の令和5年で3.4%です。
民間企業の12.1%と比べると、圧倒的に低い数字ですよね。
注目したいのは、令和4年から令和5年にかけての上昇幅です。
2.3%から3.4%ということで、1.1ポイントも上昇しています。
これがまさに「公務員離れ」と言われている現象が数字に表れている部分かなと思います。
比較結果
この結果を見ると一目瞭然なんですが、公務員の離職率は民間企業と比べて圧倒的に低いです。
令和5年のデータで比較すると、民間企業が12.1%、地方公務員が3.4%ということで、実に3倍以上の差があるということになります。
民間企業では大体8人に1人が年間で離職するのに対して、公務員は30人に1人くらいしか離職していません。
というわけで、冒頭で投げかけた「人が辞めないのはどっち?民間企業 VS 公務員」という問いに対しては、公務員の方が人が辞めないという結論でいいかと思います。
離職率の上昇に思うこと
ただしですね、公務員の離職率も上昇傾向にあります。
令和2年の1.7%から令和5年は3.4%ということで、2倍になっています。
実際に僕も辞めてますし、僕の同期にも公務員を辞めた人は何人もいます。
特に若手の方が辞める人が多い印象ですね。
最近の公務員離れの話を聞くと、若い人から見て公務員があまり魅力的ではなくなっているのかなと、いう気もします。
辞めた理由を聞くと、やはりお金の問題が多いなと思います。
公務員は若いうちは給料が安いんですよね。
同級生が民間企業でバリバリ稼いで、良いものを買ったり、良いところに住んだり、良いものを食べたりした話とかを聞くと、うらやましくも感じます。
「あいつに負けないように頑張るぞ」と思ってモチベーションにつなげられればいいんですけど、公務員だと頑張っても給料が一気にどかんと上がったりはしないですからね。
もどかしい気持ちもわかります。
まあとはいえですね、公務員は長く勤めていれば給料ちゃんと上がりますからね。
なのでそのときを楽しみにして、長い目で見て、公務員の安定を満喫していきましょうよ、っていうことをお伝えしておきたいです。
最近は公務員も若手の給料をなるべく上げるような動きもありますしね。
今すぐたくさんお金を稼ぎたいという人には公務員は向いていないかもしれませんが、長期視点で考えている方にとっては、公務員で長く働き続けることで、人生の満足度を高められるんじゃないかなと思います。
なぜ公務員の離職率が低いのか

ここからは、なぜ公務員の離職率がこれほど低いのかと、いう話をしていきます。
実際に公務員時代の知人で今も公務員を続けている人に色々聞いてみたんですが、やはり福利厚生の充実とか、給料の安定性、社会的意義などが大きな理由として挙がってきました。
僕の実体験も交えながら、その理由を詳しく解説していきます。
福利厚生が充実している
まず1つ目の理由は、福利厚生が充実している、ということですね。
まあこれについては他の動画でも詳しく解説しているので、ここでは簡単に触れる程度にしておきます。
まず有休。
有給休暇の取得しやすさは、公務員の大きな魅力の1つです。
民間企業の場合、有給休暇を取得する権利は持っていても、実際には「空気を読んで」取得を控えてしまうなんていうケースもありますよね。
ですが公務員の場合は、有給休暇の取得が当たり前の環境が整っています。
僕も公務員時代は年間で15日くらいは有給を使っていました。
上司も同僚もめちゃくちゃ休んでいましたので、その辺りはお互い様って感じで、誰かが休むことに対して嫌な顔をする人はいませんでしたね。
プライベートの時間をしっかり確保できる環境でした。
それから育休ですね。
育休についてもとても取りやすい環境が整っていました。
大体育休を取る可能性があるタイミングって事前にわかるじゃないですか。
その辺りを考慮して、休んでも問題ない人事配置にしておく感じですね。
なので育休を取っても職場が混乱したりしないですし、そうなると取る側としても安心して取れますよね。
男性の育児休業取得率も高くて、実際に僕の職場でも多くの男性職員が育休を取得していました。
こんな感じで、これだけ福利厚生が充実していると、なかなかそれを手放して他に行こうという気持ちにはならないですよね。
間違いなく公務員の離職率を下げている理由の1つです。

給与が安定している
2つ目の理由は、給与が安定していることです。
公務員の給与は年功序列の色が強くて、勤務年数に応じて段階的に昇給していきます。
俸給表というものがあって、それに沿って給料が上がっていく感じですね。
なので大体次はこれくらいだなっていうのがわかりますし、いきなり給料を下げられたりということもないので、安心感がありました。
僕が公務員になる前の民間時代は、「今年は昇給があるのかな」とか、「このペースで上がっていくとして30歳でどのくらいになるのか」「40歳でどのくらいになるのか」「その金額で家族を養えるのかな」とかですね、色々と不安に感じていたものです。
その不安から脱却したいと思ったことも、公務員への転職を決意した理由の1つです。
公務員はそういった不安がありません。
人生設計を立てやすいのは大きな魅力です。
民間企業の場合、会社の業績によってはボーナスがカットされたり、昇給が見送られたりすることもありますよね。
極端な場合、リストラの可能性もあります。
ですが公務員の場合は、余程のことがない限り解雇されることはありませんし、毎年確実に昇給があります。
退職金も手厚くて、今のところ30年以上勤め上げれば2,000万円を超える退職金が支払われます。
老後の不安も軽減されるので、安心して長く働ける環境と言っていいでしょう。
これが離職率が低い理由の1つだというのは、疑いようがないですね。


人間関係が穏やか
3つ目の理由は、人間関係が比較的穏やかなことです。
公務員の職場は基本的に年功序列ということもあって、ガツガツ上を目指そうという方は少ないです。
穏やかで優しい人が多い印象ですね。
もちろん全員が全員そうというわけではなくて、高圧的な人もいますし、やる気のない人もいます。
なんですが数としては圧倒的に穏やかな人が多いです。
僕はこれまでに公務員も含めて7社で働いた経験がありますが、公務員ほど穏やかな職場は経験したことがありません。
それから僕は今、キャリア支援の仕事をしているんですが、いろんなお客さんの話を聞いていて、人間関係が理由で前職を退職しましたって人がけっこう多いんですよね。
職場で嫌がらせを受けて辞めましたーとか。
社長にパワハラ受けたんで辞めましたーとか。
その点公務員は穏やかな人が多いので、人間関係を苦に辞める人が少ないというのは離職率の低下につながっているのかなと思います。
まあさっきも言った通り穏やかじゃない人もいますけどね。
その場合でも数年我慢すれば人事異動でリセットできるので、その安心感もありますね。

社会的意義を感じられる
4つ目の理由は、社会的意義を感じられることです。
公務員の仕事は直接的に住民の役に立つ仕事が多いので、やりがいを感じやすいです。
例えば窓口業務で、困っている住民の方の悩みや不安を聞いて、それを解決してあげられたときの達成感は、とても大きいです。
あとはわかりやすいところだと災害時の対応とか、最近だと万博とか、国家公務員なら国会対応とか、自分の仕事が多くの人の役に立っていることが直接感じられます。
こういう社会貢献の実感があることで、長く働き続けるモチベーションを保ちやすいということも、公務員の離職率が低い理由の1つですね。


研修制度が充実している
5つ目の理由は、研修制度が充実していることです。
公務員は2〜3年ごとに異動があるので、新しい業務を覚える機会が多いです。
その度に研修制度を活用してスキルアップできるので、成長を実感しやすい環境になっています。
先ほども言った通り僕はけっこういろんな会社を経験してきたんですが、こんなに研修が充実している職場はないなと思いました。
いや、その研修いる?みたいな研修があったりもしてですね、本当に至れり尽くせりって感じでしたね。
民間企業だと、特に小さい会社とかだと研修制度が整っていなかったりとかありますよね。
人手が足りなくてなかなか教えてもらえなかったりとか。
それが理由で、せっかく入った会社をすぐ辞めちゃう人もけっこういます。
その点公務員の場合はしっかりと研修機会が確保されているので、研修不足で辞めちゃう人は少ないですね。
少なくとも僕の知っている限りだと1人もいないです。
こういった理由から、公務員は長く働きやすい環境が整っているので、離職率が低いということですね。
まとめ
今回は「人が辞めないのはどっち?民間企業 VS 公務員」というテーマでお話ししました。
簡単に内容をまとめていきましょう。
まず離職率の比較結果がこちらです。
- 民間企業:12.1%(令和5年)
- 地方公務員:3.4%(令和5年)
公務員の離職率は民間企業と比べて圧倒的に低く、3倍以上の差がありました。
続いて公務員の離職率が低い理由としては以下の5つを挙げました。
- 福利厚生が充実している
- 給与が安定している
- 人間関係が穏やか
- 社会的意義を感じられる
- 研修制度が充実している
「公務員離れ」という言葉を耳にして不安になっていた方も、このデータを見て安心していただけたのではないでしょうか。
確かに公務員の離職率も近年上昇傾向にはありますが、それでも民間企業と比べて圧倒的に安定した職場環境であることがおわかりいただけたかと思います。
長く安定して働きたいと考えている方にとって、公務員はとても魅力的な選択肢と言えるでしょう。
というわけで、今回は以上になります。
このブログには、他にも公務員関連の記事がたくさんあります。以下からどうぞ。



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