こんにちは、元公務員のまさちゃんです!
「福岡市の公務員試験、先行枠って何?」
「テストセンター方式って何?」
「先行枠は通常枠はどっちがおすすめ?」
このような疑問をお持ちの方のために、福岡市公務員試験の「上級(行政事務)【先行枠】」について詳しく解説します。
福岡市の先行枠は、テストセンター方式のSPI3で実施され、専門試験がないのが最大の特徴です。また、3〜6月の早い時期に試験が行われるため、就職活動を早期に終えたい方に向いています。
この記事では、先行枠の試験日程、受験資格、試験内容、対策法までを徹底解説。先行枠のメリット・デメリットを理解し、効率的な対策で合格を目指しましょう!
※この記事は2025年版の最新情報を反映しています。
試験日程

項目 | 日程 |
---|---|
受付期間 | 3月3日(月)午前9時~3月18日(火)午後5時(受信有効) |
第1次試験(教養試験) | 4月1日(火)~4月13日(日)のうち各受験者が選択する日 |
第1次試験(口頭試問)受験該当者発表 | 4月17日(木) |
第1次試験(口頭試問) | 4月23日(水)~5月2日(金)のうち1日を指定 |
第1次合格者発表 | 5月8日(木) |
第2次試験(論文) | 5月14日(水) |
第2次試験(口頭試問) | 5月下旬〜6月上旬 |
最終合格者発表 | 【早期採用】6月12日(木) 【定期採用】6月19日(木) |
通常の日程と比べて、試験スケジュールが2ヶ月ほど早く設定されています。6月上旬には最終合格発表があるため、民間企業の就職活動と並行しながらも、早めに進路を決められる点が大きなメリットです。
早期採用と定期採用がありますが、試験内容や日程は同じです。合格発表の日だけ少しずれています。
なお、早期採用は勤務開始が10月から、定期採用は4月からとなっています。
受験資格(年齢制限など)

年齢制限は以下になります。
次のいずれかに該当する人
①平成8(1996)年4月2日から平成16(2004)年4月1日までに生まれた人
②平成16(2004)年4月2日以降に生まれた人で、次のいずれかに該当する人
ア 大学(短大を除く。)を卒業した人又は令和8(2026)年3月31日までに卒業見込みの人
イ 人事委員会がアに掲げる資格と同等の資格があると認める人
年齢以外の要件として、以下の条件も満たす必要があります。
- 地方公務員法第16条の各号のいずれにも該当しない人
- 日本国籍を有する人、または出入国管理及び難民認定法に定められている永住者、日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法に定められている特別永住者
ただし、外国籍の方は、採用後、担当できる職務等に制限があります。詳しくは、福岡市職員募集ホームページをご確認ください。
採用予定数

令和7年度の採用予定数は以下の通りです。
- 定期採用:45人
- 早期採用:20人
昨年度は定期採用のみの募集で、45人の採用予定でした。今年度は早期採用も実施され、その分採用予定数も増えましたね!
試験内容

試験科目についても見ていきましょう。
試験内容や試験時間、出題科目は以下のようになっています。
試験段階 | 試験科目 | 試験内容 |
---|---|---|
第1次試験 | 教養試験(SPI3(基礎能力検査)) | 公務員として必要な基礎能力(言語的理解、論理的思考、数量的処理能力といった知的能力)についての試験を行います。 ※口頭試問の参考とするため、性格検査を実施します。 |
第1次試験 | 口頭試問(Web) | 個別面接(Web)を行います。 ※「アピールシート」による自主的アピールを含みます。 |
第2次試験 | 論文(課題解決シート作成) | 論文試験(課題解決シート作成)を行います。(60分・600字程度) |
第2次試験 | 口頭試問(対面) | 個別面接(対面)を行います。 ※「論文(課題解決シート)」の説明を含みます。 ※口頭試問の参考とするため、適性検査を実施します。 |
どんな試験なのか

SPI3(基礎能力検査)
教養試験はSPI3(基礎能力検査)となっています。民間企業の就職試験でも広く使われている適性検査です。基礎能力検査と性格検査から構成されています。
基礎能力検査は言語分野と非言語分野に分かれており、言語分野では語彙や読解力、非言語分野では計算力や論理的思考力が問われます。
福岡市のSPI3はテストセンター方式で実施されます。これは全国のテストセンターでオンライン受験する方式のことです。自分で予約し、その時間にテストセンターに出向いて受験します。遠隔地の方や、日中時間が取りにくい方でも受験できるようになっています。
以下の記事に対策方法をまとめていますので参考にしてみてください。
課題解決シート作成
「課題解決シート作成」という聞き慣れない試験も課されます。これは福岡市の問題や課題について、自身の知識・経験を踏まえ提案する内容となります。60分で600字程度の文章を作成します。いわゆる論文試験ですね。
特徴的なのは、作成した課題解決シートの内容について、第2次試験の口頭試問(対面)で説明する機会があることです。つまり、シート作成時から口頭での説明を意識して内容を構成する必要があります。
日頃から福岡市の政策や課題に関心を持ち、自分の考えをまとめる練習をしておくことが大切です。また、限られた時間で的確に自分の考えを表現し、それを口頭で説明する練習も効果的でしょう。
対策方法としては以下の記事が参考になるかと思います。
口頭試問(面接)
口頭試問は個別面接です。コミュニケーション力、情緒安定性、協調性・関係構築力、責任感・積極性などが評価されます。
「なぜ福岡市役所なのか」「福岡市の課題をどう捉えているか」といった質問は必ず聞かれると思っておいた方が良いでしょう。
以下の記事に対策方法をまとめていますので参考にしてみてください。
アピールシート
「アピールシート」による自主的アピールも含まれています。自身の強みや経験を効果的にアピールする機会となります。
いわゆるエントリーシート的な内容なので、作成のポイントは以下が参考になるかと思います。
配点

配点は以下の通りです。
試験段階 | 試験科目 | 配点 |
---|---|---|
第1次試験 | 教養試験(SPI3(基礎能力検査)) | 100点 |
第1次試験 | 口頭試問(Web) | 270点 |
第2次試験 | 論文(課題解決シート作成) | 20点 |
第2次試験 | 口頭試問(対面) | 180点 |
口頭試問の配点が高いですね。特に2次試験は論文の配点が極小で、ほぼほぼ面接の結果で合否が決まります。
ですが注意したいポイントがあり、以下の最終合格者の決定方法をご覧ください。
最終合格者の決定方法

最終合格者の決定方法については、以下のようになっています。
- 第1次試験の合格は、第1次試験科目の総合成績により決定しますが、一定の基準を満たさない試験科目がある場合は不合格となります。
- 最終合格は、第2次試験科目の総合成績のみにより決定し、第1次試験の成績は反映されません。また、一定の基準を満たさない試験科目がある場合は不合格となります。
つまり、第1次試験で高得点を取っても、第2次試験で失敗すれば不合格になる可能性があります。逆に、第1次試験でギリギリ合格しても、第2次試験で挽回すれば最終合格する可能性があるということです。
そして一定の基準を満たさない科目があった場合には問答無用で不合格になるとのこと。課題解決シートは配点が低いですが、しっかり対策をして基準を上回らないと足切りにあいます。ご注意を。
過去の実施結果(倍率など)

過去の実施結果も確認しておきましょう。
年度 | 採用区分 | 採用予定数 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 |
---|---|---|---|---|---|
R6 | 定期採用 | 45人 | 874人 | 69人 | 12.7倍 |
R5 | 定期採用 | 45人 | 639人 | 51人 | 12.5倍 |
R5 | 早期採用 | 30人 | 230人 | 25人 | 9.2倍 |
R4 | 定期採用 | 35人 | 542人 | 44人 | 12.3倍 |
R4 | 早期採用 | 30人 | 256人 | 36人 | 7.1倍 |
倍率はめちゃくちゃ高いですね。定期採用は基本的に10倍を超えます。10月採用でも問題ない方は、早期採用枠で申し込んだ方がいいですね。
先行枠のメリット・デメリット

通常日程と比較して、先行枠のメリット・デメリットは以下になります。
メリット
- 試験時期が早い
6月には合否が決まるので就活の計画が立てやすい - テストセンター方式
全国どこからでも受験可能、自分の都合の良い日時を選べる - 専門試験がない
法律や経済など専門的な勉強が不要 - 対策がシンプル
SPI3対策と論文、面接対策に集中できる
デメリット
- 勉強量で勝負しづらい
専門試験がないため、勉強の成果で勝負しにくい - 対策期間が短い
試験が4月のため、準備期間が通常枠より短い - 情報が少ない
比較的新しい制度のため参考情報が少ない
先行枠は、「公務員試験の専門対策に時間をかけたくない」「早く進路を決めたい」という方に特におすすめです。一方、「しっかり勉強してその成果で勝負したい」という方は通常の大学卒業程度試験の方が向いていますね。
合格するためのポイント

福岡市の上級(行政事務)【先行枠】に合格するためには、SPI3と論文、そして面接対策がポイントになるということは、ここまでに説明した通りです。
改めて、より詳しい対策法をまとめた記事を以下に置いておきます。
ぜひ参考にしてみてください!
おすすめの対策講座

公務員試験の対策は、予備校を活用するのが手っ取り早いです。効率よく対策するカリキュラムが組まれていますし、Web通信スタイルで受講すればスマホ1台で対策することもできます。
特におすすめの予備校は以下の2つです。
アガルートアカデミー
→Web通信専門で手厚いサポートが特徴。スマホ1台で隙間時間に学習できる。
資格の大原
→全国に教室を展開している大手予備校。長年の実績と豊富な教材で安心の対策が可能。
より詳しい予備校比較は以下の記事もご参照ください!
福岡県の公務員予備校事情については、以下の記事にもまとめています。こちらも併せて参考にしていただけば!
初任給と待遇

福岡市の上級(行政事務)【先行枠】で採用された場合の初任給(給料+地域手当)は以下の通りです。
- 上級:242,000円
このほかに、扶養手当、住居手当、通勤手当などが支給されます。また、6月と12月には期末・勤勉手当(いわゆるボーナス)が支給されます。
勤務時間は原則として、月曜日から金曜日までの1日7時間45分、週38時間45分です。年次有給休暇は年間20日付与されます。
その他、育児休業制度や介護休暇制度なども充実しており、ワークライフバランスを保ちやすい環境が整っています。
まとめ:福岡市職員・上級(行政事務)【先行枠】試験の特徴と対策
この記事では、福岡市公務員試験の上級(行政事務)【先行枠】について解説してきました。
先行枠試験の主な特徴は以下の通りです。
- テストセンター方式のSPI3が採用され、専門試験がない
- 通常よりも2ヶ月早い試験スケジュール(6月上旬に最終合格発表)
- 全国どこからでも受験可能で、受験日時を自分で選べる
- 倍率は9~13倍と、通常枠よりも高め
- 面接の配点が非常に高く、人物重視の選考
早期に進路を決めたい方、専門試験対策に時間をかけたくない方に特におすすめの試験区分です。SPI3対策と面接対策を集中的に行い、福岡市の特徴や課題についての理解を深めておくことが合格への近道となります。
福岡市は九州の中心都市として発展を続けており、行政のデジタル化や地域活性化に力を入れています。公務員として市民のために働きたいという熱意を持って試験に臨みましょう!
※試験情報は変更される可能性がありますので、最新情報は必ず福岡市公式サイトでご確認ください。
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