こんにちは、予備校比較マニアのまさちゃんです。
科学技術に関する高度な知識と応用能力を備えた技術者として国が認定する「技術士」資格。二次試験の合格率11.8%という難関資格でありながら、平均年収615万円、大手企業では年収1000万円も狙える魅力的な資格です。
「技術士試験ってどのくらい難しいの?」
「年収はどのくらいなの?」
「独学でも合格できる?」
「社会人でも取得は可能?」
この記事では、技術士の基本情報から試験内容、合格後の進路まで、これから技術士を目指す方に必要な情報を徹底的に解説していきます。
2020年から実務経験の要件が変更されるなど、技術士試験の制度は進化を続けています。最新の制度を理解した上で、自分に合った学習方法を選択していきましょう。
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技術士とは?難関と言われる理由

まずはそもそも「技術士とは?」という話をしていきます。
冒頭でも書いた通り、技術士は科学技術に関する高度な専門知識と応用能力を持つ技術者として、国が認定する国家資格です。法律に基づいて定められた名称独占資格で、技術士の名称を使用するには、必ず技術士試験に合格し、登録を行う必要があります。
21の技術部門を持つ資格
技術士資格の大きな特徴は、専門分野に応じた21の技術部門があることです。
技術士という名称を使用する際は、「技術士(建設部門)」「技術士(情報工学部門)」のように、必ず技術部門を明示することが義務付けられています。これは、その技術士がどの分野の専門家なのかを明確にするためです。
難関と言われる理由
技術士が難関資格と言われる理由は主に3つあります。
二次試験の合格率11.8%という点がまず難易度の高さを表していますね。一次試験に合格してさらに実務経験を積んだ方が受けているにも関わらずこの数字です。間違いなく難関資格です。
技術士の主な活躍分野
公益財団法人 日本技術士会のPRパンフによると、技術士は以下のような場所で活躍しています。
特に近年は、SDGs(持続可能な開発目標)への取り組みやDXの推進など、企業が直面する技術的課題が複雑化していることから、技術士の需要は着実に高まっています。
技術士は単なる技術の専門家としてだけでなく、プロジェクトマネージャーや技術部門の管理職として活躍することも多く、キャリアの可能性はとても広いと言えます。
技術士の年収は?

技術士の年収について、最新の統計データをもとに詳しく見ていきましょう。
技術士の平均年収
厚生労働省の令和5年賃金構造基本統計調査によると、技術士の平均年収は以下の通りです。
企業規模別の年収比較
技術士の年収は、所属する企業の規模によって大きく異なります。
特に大手企業の技術部門では、管理職として年収1000万円を超えるポジションも珍しくありません。
日本人の平均年収が400万円台であることを考えると、高収入が狙える魅力的な資格と言えますね。
技術士試験の受験資格

技術士試験には一次試験と二次試験があります。それぞれの受験資格について説明していきますね。
一次試験
一次試験は受験資格がなく、年齢や学歴などに関係なく誰でも受験できます。一次試験合格後は「修習技術者」となり、実務経験を積むことで二次試験の受験資格が得られます。
また、技術士補登録をして技術士補を名乗ることもできます。
二次試験
一次試験は誰でも受験可能な試験でしたが、二次試験は実務経験が必要です。以下の3つのうちのどれかの実務経験が必要です。
- 技術士補として登録し、指導技術士の下での4年を超える実務経験
※総合技術監理部門の場合は7年 - 職務上の監督者の下での4年を超える実務経験
※総合技術監理部門の場合は7年
※修習技術者となった後の経験のみ算入できる - 7年を超える実務経験
※総合技術監理部門の場合は10年
※修習技術者となる前の経験も算入できる
最低でも4年の実務経験が必要ということで、未経験者がこれから技術士を目指す場合にはかなりハードルが高いですね。
ですが実際には全体の95%の方が③の「7年を超える実務経験」の要件を満たして受験しています。③の要件は修習技術者になる前の実務経験期間もカウントできるため、既に長期間の実務経験を積んでいる方が、その技術の証明として技術士試験を受験することが多いということですね。
技術士試験の日程

例年の試験日程も確認しておきましょう。
一次試験
項目 | 時期 |
---|---|
申込書配布開始 | 例年6月上旬〜6月下旬 |
申込受付期間 | 例年6月中旬〜6月下旬 |
筆記試験 | 例年11月下旬の日曜日 |
合格発表 | 例年2月 |
二次試験
項目 | 時期 |
---|---|
申込書配布開始 | 例年3月下旬〜4月中旬 |
申込受付期間 | 例年4月初旬〜4月中旬 |
筆記試験(総合技術監理部門必須科目) | 例年7月第3週の日曜日 |
筆記試験(その他部門・総合技術監理部門選択科目) | 例年7月第3週の月曜日 |
筆記試験合格発表 | 例年10月下旬 |
口頭試験 | 例年11月〜翌年1月 |
最終合格発表 | 例年3月中旬 |
試験会場
以下の12都道府県の試験会場で実施されます。
- 北海道
- 宮城県
- 東京都
- 神奈川県
- 新潟県
- 石川県
- 愛知県
- 大阪府
- 広島県
- 香川県
- 福岡県
- 沖縄県
技術士試験の概要

続いて具体的な試験内容について見ていきましょう。
一次試験
出題形式 | 全て択一式 |
出題科目 | 基礎科目・適性科目・選択科目 |
合格基準 | 全ての科目で50%以上の得点 |
一次試験は筆記試験で、全て択一式で出題されます。基礎科目・適性科目・選択科目の3科目が出題され、それぞれの科目で満点の50%以上得点すると、合格です。
【基礎科目】(15点満点)
基礎科目の出題内容は以下になります。
- 設計・計画に関するもの(設計理論、システム設計、品質管理等)
- 情報・論理に関するもの(アルゴリズム、情報ネットワーク等)
- 解析に関するもの(力学、電磁気学等)
- 材料・化学・バイオに関するもの(材料特性、バイオテクノロジー等)
- 環境・エネルギー・技術に関するもの(環境、エネルギー、技術史等)
それぞれ6問ずつ、合計30問が出題されます。そのうち15問を選択して解答します。
試験時間は1時間です。
なお、出題される問題は全技術部門共通です。
【適性科目】(15点満点)
適性科目の出題内容は以下になります。
技術士法第四章(技術士等の義務)の規定の遵守に関する適性
15問出題され、全問解答です。
試験時間は1時間です。
こちらも出題される問題は全技術部門共通です。
【専門科目】(50点満点)
専門科目の出題内容は以下になります。
選択した技術部門の専門問題
35問中25問を選択して解答します。
1問につき2点で、50点満点です。
試験時間は2時間です。
二次試験
出題形式 | <総合技術監理部門以外> 筆記試験(記述式)・口頭試験 <総合技術監理部門> 筆記試験(択一式・記述式)・口頭試験 |
合格基準 | 全ての科目で60%以上の得点 |
二次試験は筆記試験と口頭試験の2種類が課されます。筆記試験を通過した方のみ、口頭試験を受験することができるという流れです。
筆記試験の内容は「総合技術監理部門かそれ以外か」で異なっていて、総合技術監理部門は択一と記述、その他の部門は記述のみという内容です。
口頭試験も「総合技術監理部門かそれ以外か」で内容が違います。
筆記試験<総合技術監理部門以外>
筆記試験<総合技術監理部門>
口頭試験<総合技術監理部門以外>
口頭試験<総合技術監理部門>
受験者数・合格者数・合格率

技術士試験の受験者数や合格率についても見ていきましょう。
以下に近年のデータをまとめました。
なお、全部門総合の数字です。部門によって受験者数や合格者数に差があるので、参考程度に見ていただければと思います。
一次試験
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
令和5年度(2023年度) | 16,631人 | 6,601人 | 39.7% |
令和4年度(2022年度) | 17,225人 | 7,251人 | 42.1% |
令和3年度(2021年度) | 16,977人 | 5,313人 | 31.3% |
令和2年度(2020年度) | 14,594人 | 6,380人 | 43.7% |
令和元年度(2019年度) | 9,337人 | 4,537人 | 48.6% |
平成30年度(2018年度) | 16,676人 | 6,302人 | 37.8% |
二次試験
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
令和5年度(2023年度) | 22,877人 | 2,690人 | 11.8% |
令和4年度(2022年度) | 22,489人 | 2,632人 | 11.7% |
令和3年度(2021年度) | 22,903人 | 2,659人 | 11.6% |
令和2年度(2020年度) | 20,365人 | 2,423人 | 11.9% |
令和元年度(2019年度) | 24,326人 | 2,819人 | 11.6% |
平成30年度(2018年度) | 25,914人 | 2,355人 | 9.1% |
技術士試験の一次試験は、合格率が30%台〜40%台で推移しています。3人に1人ほどしか合格できない試験なので、難しい試験ですね。とはいえ一次試験は受験資格がなし。準備不足の方も受験していることを考えると、しっかり対策しておけば比較的合格しやすい試験と言えますね。
二次試験は10%前後という低い合格率となっています。一次試験と違い、記述力や応用力、思考力が問われる試験内容となっているので、実務経験を長く積んだ方にとっても狭き門です。予備校や通信講座などを活用して、しっかり試験対策をしておいた方がいいでしょう。
よくある質問|技術士試験Q&A

技術士試験に関して、よくある質問にお答えしていきます。
独学での合格は可能ですか?
技術士試験は独学でも合格は可能ですが、特に二次試験については予備校の利用をおすすめします。
答案作成のポイントを独学で掴むのは難しく、添削指導を受けることで合格率が大きく向上するというデータもあります。また、最新の試験情報の入手や、模擬試験や口頭試験の練習機会を得られることも予備校利用の大きなメリットです。
一次試験の勉強期間はどのくらい必要ですか?
一般的な目安として、一次試験の合格には200〜500時間の学習が必要と言われています。
例えば1日2時間の学習だと4ヶ月〜9ヶ月程度の期間が必要です。
二次試験の最短合格期間は?
二次試験は実務経験の要件があるため、最短でも実務経験4年+試験対策1年程度が必要です。
勉強時間としては600〜1,000時間程度必要と言われています。
1日2時間の学習だと10ヶ月〜16ヶ月程度の期間が必要です。
資格取得後の年収アップは狙えますか?
技術士資格の取得による年収アップは十分に期待できます。
資格手当として月額1〜10万円程度が支給される企業が多く、特に建設コンサルタントなどの業界では手当が充実しています。また、昇進・昇格の要件となることも多く、転職時の交渉材料としても有効です。
フリーランスとして独立した場合は、技術士という肩書きを活かして、より高い報酬での案件獲得が可能になります。
まとめ|技術士を目指す方へ
技術士資格について詳しく解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
技術士は間違いなく難関資格です。二次試験の合格率11.8%という数字が、その難しさを物語っていますね。
それでも年収615万円という平均年収や、大手企業では1000万円も狙えるという将来性を考えれば、挑戦する価値は十分にあると言えるでしょう。
【技術士のポイントまとめ】
- 21の技術部門から選択可能
- 一次試験は誰でも受験可能
- 二次試験受験には実務経験が必要
- 年収アップが期待できる
- フリーランスとしての独立も可能
技術士試験は、単なる知識の暗記では対応できない試験です。実務経験に基づく応用力や、技術者としての倫理観が問われます。そのため、効率的な学習が合格への重要なカギとなります。
そういった意味で、予備校や通信講座の活用は、特に二次試験対策において大きな効果を発揮します。添削指導が受けられるなど手厚いサポートが付いているため、多くの合格者が予備校を利用しています。
技術士試験の予備校選びについては、以下の「技術士の予備校5校をガチ比較」の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。皆様の技術士試験合格を心より願っています。
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