こんにちは、まさちゃんです!
いつも当ブログをご覧いただき、ありがとうございます。
今回は「国税専門官採用試験」についてまとめました。試験日程や出題科目、過去の実施状況などを解説しています。
・国税専門官採用試験の概要が知りたい
・試験内容や日程を詳しく知りたい
・過去の実施結果や倍率が知りたい
こういった疑問が解消できます。
簡単に自己紹介
- この記事を書いている僕は、29歳のときに公務員試験に合格し、実際に5年間働きました。
- そのときの経験をもとに記事を書いているので、これから受験する方々の参考になるようなリアルな情報をお伝えできるかと思います。
実際に公務員試験を受験し、内定をもらった経験をもとにこの記事を書いています。公務員試験については熟知している人間が書いた記事なので、内容は信頼していただいて大丈夫です。
それでは早速、内容に入っていきます。
国税専門官採用試験の概要
国税専門官採用試験は、国税局や税務署で働く税務のスペシャリストを採用するための試験です。法律、経済、会計等の専門知識を活かして、税のプロフェッショナルとして活躍できる人材を求めています。
試験には「国税専門官A(法文系)」と「国税専門官B(理工・デジタル系)」の2つの区分があります。Aは主に文系学部出身者向け、Bは理系・情報系学部出身者向けの試験となっています。
国税専門官として採用されると、主に以下の3つの職種に就くことになります。
- 国税調査官:個人や法人の税務調査を行う
- 国税徴収官:滞納者からの徴収業務を担当する
- 国税査察官:悪質な脱税事件の調査を行う
国税専門官は転勤の範囲が比較的狭く、勤続年数に応じて税理士試験の科目免除も受けられるなど、多くのメリットがあります。税務のスペシャリストを目指す方にとって、非常に魅力的な職業だと言えるでしょう。
試験日程
令和6年度(2024年度)の国税専門官採用試験の日程は以下の通りです。
項目 | 日程 |
---|---|
申込受付期間 | 2月22日(木)9:00~3月25日(月)※受信有効 |
第1次試験日 | 5月26日(日) |
第1次試験合格発表日 | 6月18日(火)9:00 |
第2次試験日 | 6月24日(月)~7月5日(金)※土日除く |
最終合格者発表日 | 8月13日(火)9:00 |
申込はインターネットで行います。申込期間終了間際は混雑する可能性があるので、余裕を持って早めに申し込むことをおすすめします。
第1次試験は全国各地の会場で一斉に行われます。第2次試験は第1次試験合格者を対象に、個別面接と身体検査が行われます。
受験資格(年齢制限など)
国税専門官採用試験の受験資格は以下の通りです。
- 1994(平成6)年4月2日~2003(平成15)年4月1日生まれの者
- 2003(平成15)年4月2日以降生まれの者で、次に掲げるもの
(1) 大学(短期大学を除く)を卒業した者および令和7(2025)年3月までに大学を卒業する見込みの者
(2) 人事院が(1)に掲げる者と同等の資格があると認める者
基本的に21歳以上30歳未満の方が受験可能です。ただし、大学卒業(見込み)者は21歳未満でも受験できます。
また、日本国籍を有していない方や、禁錮以上の刑に処せられた方などは受験できません。詳細は国税庁のホームページで確認してください。
採用予定数
令和6年度(2024年度)の国税専門官採用試験の採用予定数は以下の通りです。
区分 | 採用予定数 |
---|---|
国税専門官A(法文系) | 約1,000名 |
国税専門官B(理工・デジタル系) | 約100名 |
採用予定数は年度によって変動しますが、ここ数年は1,000名以上の採用が続いています。公務員試験の中でも比較的多くの人数を採用している試験と言えるでしょう。
試験内容
国税専門官採用試験は、第1次試験(筆記試験)と第2次試験(人物試験)の2段階で実施されます。それぞれの試験内容を詳しく見ていきましょう。
第1次試験(筆記試験)
第1次試験では、基礎能力試験と専門試験が行われます。
基礎能力試験【A・B共通】
基礎能力試験は国税専門官AとBで共通の内容です。公務員として必要な基礎的な能力(知能及び知識)を問う試験です。
試験種目 | 内容 | 試験時間 | 出題数 |
---|---|---|---|
基礎能力試験 | 知能分野(文章理解、判断推理、数的推理、資料解釈)、知識分野(自然・人文・社会に関する時事、情報) | 1時間50分 | 30題 |
他の公務員試験で言うところの、「教養試験」に該当するものですね。
公務員試験の鬼門である数的処理系の科目もしっかり出題されるので、他の公務員試験同様に数的処理の出来が1次試験の合否を左右すると言えます。しっかり対策をしておきましょう。
はっきりとしたボーダーは不明ですが、教養試験同様に6割程度の得点をボーダーと考えておくといいでしょう。近年は倍率も低めなので、もう少し低くても通る可能性が高いですが、あくまでも目標は6割で。
専門試験(多肢選択式)
専門試験(多肢選択式)は、国税専門官AとBで出題内容が異なります。
【国税専門官A(法文系)】
区分 | 科目 | 出題数 |
---|---|---|
必須 | 民法・商法、会計学(簿記含む) | 16題 |
選択 | 憲法・行政法、経済学、財政学、経営学、政治学・社会学・社会事情、英語、商業英語のうち4科目24題選択 | 24題 |
【国税専門官B(理工・デジタル系)】
区分 | 科目 | 出題数 |
---|---|---|
必須 | 基礎数学、民法・商法、会計学 | 16題 |
選択 | 情報数学・情報工学、統計学、物理、化学、経済学、英語のうち24題選択 | 24題 |
国税専門官Aの方は一般的な公務員試験の出題科目ですね。かなり幅広い分野から出題されるので、効率的に学習を進めていく必要があります。
必須科目で商法と会計学が出題されますが、国税専門官を本命と考えている方以外はあまりこれらの科目を重視していないかと思います。合格する可能性を高めるには、これらの科目をしっかり対策しておくことが重要ですね。
専門試験のボーダーは7割くらいです。はっきりとした数字が示されているわけではありませんが、多くの予備校でも言われている数字なので、この数字を目指すといいでしょう。
専門試験(記述式)
専門試験(記述式)も、国税専門官AとBで出題内容が異なります。
- 【国税専門官A(法文系)】
憲法、民法、経済学、会計学、社会学の5科目から1科目を選択して解答します。 - 【国税専門官B(理工・デジタル系)】
科学技術に関連する領域について、1題必須で解答します。
記述とはいえ、内容は択一の専門試験と同じです。択一の対策をしっかりやって、ある程度仕上がったら過去問などを使って記述に落とし込む練習もしておきましょう。
第2次試験(人物試験)
第2次試験では、個別面接と身体検査が行われます。これは国税専門官AとBで共通の内容です。
試験種目 | 内容 |
---|---|
人物試験 | 人柄、対人的能力などについての個別面接 |
身体検査 | 主として一般内科系検査 |
個別面接では、志望動機や将来の目標、学生時代の経験などについて質問されます。国税専門官としての適性や意欲を評価されます。
配点
国税専門官採用試験の配点は以下の通りです。
試験種目 | 配点比率 |
---|---|
基礎能力試験 | 2/9 |
専門試験(多肢選択式) | 3/9 |
専門試験(記述式) | 2/9 |
人物試験 | 2/9 |
最終合格者の決定方法は次の通りです。
- 第1次試験(筆記試験)の合格者を決定
- 第1次試験合格者に対して第2次試験(人物試験)を実施
- 第1次試験、第2次試験の結果を総合的に評価して最終合格者を決定
専門試験(多肢選択式)の配点が最も高いため、この部分での得点が合否を大きく左右します。ただし、他の試験種目も無視できないので、バランスの取れた学習が求められます。
過去の実施結果(倍率など)
過去3年間の国税専門官採用試験の実施結果は以下の通りです。
【国税専門官A(法文系)】
年度 | 申込者数 | 第1次試験受験者数 | 最終合格者数 | 倍率 |
---|---|---|---|---|
2023年度 | 13,618名 | 9,555名 | 3,127名 | 3.1倍 |
2022年度 | 14,867名 | 11,098名 | 4,106名 | 2.7倍 |
2021年度 | 13,274名 | 9,733名 | 4,193名 | 2.3倍 |
【国税専門官B(理工・デジタル系)】
年度 | 申込者数 | 第1次試験受験者数 | 最終合格者数 | 倍率 |
---|---|---|---|---|
2023年度 | 475名 | 263名 | 147名 | 1.8倍 |
2022年度 | – | – | – | – |
2021年度 | – | – | – | – |
※国税専門官Bは2023年度から実施されたため、2022年度以前のデータはありません。
国税専門官Aの倍率は3倍前後で推移しており、公務員試験の中では比較的狙いやすい試験と言えます。国税専門官Bは新設されて間もないこともあり、倍率が低めとなっています。
初任給と待遇
国税専門官の初任給(令和6年4月1日現在)は以下の通りです。
- 大学卒業者:269,640円(地域手当含む)
- 大学院修士課程修了者:233,700円(地域手当含む)
東京都特別区内の場合、地域手当(20%)が加算され、上記の金額となります。
このほか、扶養手当、住居手当、通勤手当、期末・勤勉手当(ボーナス)などが支給されます。
勤務時間は原則として1日7時間45分、週38時間45分です。年次有給休暇は年20日付与され、夏季休暇、年末年始休暇なども取得できます。
また、国税専門官は国家公務員共済組合に加入するため、充実した福利厚生を受けられます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 国税専門官の試験は難しいですか?
A1. 国税専門官試験の難易度は、国家総合職ほど高くはありませんが、一定の専門知識と学習時間が必要です。倍率は3倍前後で推移しており、しっかりと対策をすれば十分に合格可能な試験だと言えます。ただし、専門試験では税法や会計学など、独自の分野の出題もあるため、これらの対策は必須です。
Q2. 国税専門官AとBはどちらを選べばいいですか?
A2. 基本的には、自分の学歴や得意分野に合わせて選択するのがよいでしょう。文系学部出身の方は国税専門官A、理系・情報系学部出身の方は国税専門官Bが向いています。ただし、Bは新設されて間もない試験区分のため、過去問が少ないなどの課題もあります。自分の強みを活かせる区分を選択することが大切です。
Q3. 国税専門官になるには、どのくらいの勉強時間が必要ですか?
A3. 個人差はありますが、一般的には800~1,200時間程度の学習時間が必要だと言われています。1日4時間勉強するとして、約200~300日(6~10ヶ月)かかる計算になります。ただし、これはあくまで目安です。効率的な学習方法を見つけ、自分のペースで着実に勉強を進めていくことが大切です。
Q4. 国税専門官から税理士になることはできますか?
A4. はい、可能です。国税専門官として一定期間勤務すると、税理士試験の一部科目が免除されます。具体的には、10年以上勤務で税法科目3科目が免除、23年以上勤務で会計学・税法の全科目が免除となります。国税専門官の経験を活かして、将来的に税理士として独立開業する道も開かれています。
まとめ
国税専門官採用試験は、税務のスペシャリストを目指す方にとって非常に魅力的な試験です。倍率も3倍前後と、公務員試験の中では比較的受かりやすい部類に入ります。
ただし、専門試験では税法や会計学など独自の分野も出題されるため、これらの対策は必須です。また、面接試験も重視されるため、筆記試験対策と並行して面接対策も行う必要があります。
国税専門官を目指す方は、早めに学習計画を立て、コツコツと勉強を進めていきましょう。専門学校や通信講座などを利用して、効率的に学習を進めるのもおすすめです。
税のプロフェッショナルとして活躍したい、専門性の高い仕事がしたいという方は、ぜひ国税専門官を目指してみてください。皆さんの合格を心よりお祈りしています!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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また、この記事を読んで公務員になりたいと思った方には、「公務員になるには【半年で安定を勝ち取るために今あなたがやるべきこと】」の記事が参考になるかと思います。
僕の元公務員としての経験や、現在のキャリアアドバイザーとしての知識をもとに書きました。
「将来が不安だなぁ…」と漠然と感じていた20代の僕を救い出してくれたのが公務員試験です。公務員試験への感謝の気持ちも込めて書いた記事です。
過去の僕と同じように将来に不安を感じている多くの方に、この記事が届くことを願っています。
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