中小企業診断士になるには？仕事内容・年収・試験内容から合格方法までガチ解説【2025年最新】

こういった疑問を解消していきます！

中小企業診断士とは？

中小企業診断士の役割

中小企業診断士は、簡単に言うと「中小企業の相談役」です。中小企業の経営者が困ったときに、専門知識で診断・助言を行う日本で唯一の経営コンサルタント国家資格です。

日本の企業の99.7%が中小企業。そんな中小企業が「売上を伸ばしたい」「効率化を図りたい」「新しい事業を始めたい」「事業承継を考えたい」といった様々な経営課題を抱えたときに、頼りになるのが中小企業診断士です。

主な仕事内容

経営診断・企画立案

企業の財務状況、組織体制、マーケティング戦略などを総合的に分析し、問題点を見つけて改善提案を行います。売上低迷の原因を探ったり、コスト削減の方法を提案したりと、経営全般をサポートします。

事業計画書の作成支援

銀行からの融資を受けたり、補助金・助成金を申請したりする際に必要な事業計画書の作成をサポートします。数字の根拠づけや事業の将来性を説得力のある形で表現するお手伝いをします。

マーケティング・販売戦略の立案

「どんな商品・サービスを、誰に、どうやって売るか」を一緒に考えます。市場調査から商品開発、販売チャネルの構築まで、売上アップのための戦略を総合的にサポートします。

組織・人事改革の支援

「従業員のモチベーションが低い」「組織がうまく機能していない」といった組織運営の問題解決をサポートします。組織体制の見直しや業務フローの改善提案を行います。

ITシステム導入・DX推進支援

デジタル化が進む中、中小企業のIT化やDX（デジタルトランスフォーメーション）推進を支援します。システム導入から運用まで、IT活用による業務効率化をサポートします。

事業承継・M&A支援

高齢化が進む経営者の事業承継問題や、企業の買収・統合（M&A）をサポートします。後継者育成から株式移転まで、スムーズな事業承継を実現します。

独占業務がないって本当？

本当です。

中小企業診断士には弁護士や税理士のような独占業務（その資格がないとできない業務）はありません。

「じゃあ意味ないの？」と思うかもしれませんが、そんなことはないのでご安心を。

国が認めた唯一の経営コンサルタント資格という権威性があり、クライアントからの信頼度が段違いです。また、金融機関や行政機関との連携業務では、中小企業診断士の資格が重要な要件となることも多いです。

年収・将来性

どのくらい稼げるの？

会社員として働く場合：年収500-800万円

企業内診断士として働く場合

年収500-650万円程度。自社の経営企画、新規事業開発、業務改善などで活躍できます。資格手当として月1-3万円がつく企業も多いです。

コンサルティング会社で働く場合

年収600-800万円程度。クライアント企業への経営支援業務を担当します。実績を積めば年収1000万円以上も可能です。

金融機関で働く場合

年収550-750万円程度。融資先企業への経営支援や事業性評価業務で資格が活かせます。

独立して自分で事業をする場合：年収300-2000万円以上

独立すると収入の幅がとても広くなります。実際のデータを見てみましょう。

• 年収300万円未満：13.0%
• 年収300-500万円：20.1%
• 年収501-800万円：21.4%（最多）
• 年収801-1000万円：11.9%
• 年収1001-1500万円：15.4%
• 年収1501-3000万円：13.0%
• 年収3000万円以上：5.3%

※年収データ出典
一般社団法人中小企業診断協会「中小企業診断士活動状況アンケート調査」（令和3年5月）
※調査対象：都道府県協会に所属する会員中小企業診断士10,846名（回答数1,892名、回答率17.4％）
※年収データは「年間のコンサルティング業務日数が100日以上の人」579名が対象

年収1000万円以上の人が全体の約34%もいるのは驚きですね！

独立して成功すれば高収入も夢ではありませんが、営業力とコンサルティング力の両方が必要です。まずは会社員として経験を積んで、人脈を作ってから独立する人が多いです。

年収をアップさせる方法

他の資格も一緒に取る

• 税理士（税務アドバイス）
• 公認会計士（財務分析の専門性アップ）
• 社会保険労務士（人事労務の専門性アップ）
• ITコーディネータ（IT支援の専門性アップ）

得意分野を作る

• 事業承継・M&Aの専門家になる
• DX・IT化支援のスペシャリストになる
• 特定業界（飲食、製造業など）の専門家になる
• 補助金・融資支援のエキスパートになる

将来性はどう？

結論：めちゃくちゃ将来性があります！

理由は「中小企業診断士の需要が増えるから」です。

なぜ需要が増えるの？

中小企業の課題が増大している

日本企業の99.7%を占める中小企業は、人手不足、DX化の遅れ、事業承継問題など様々な課題を抱えています。これらの課題解決には専門的な知識が必要で、中小企業診断士の出番です。

事業承継問題が深刻化

経営者の高齢化で、今後10年間で245万人の経営者が70歳を超えます。事業承継やM&Aの需要は確実に増加し、専門家である中小企業診断士の活躍の場が広がります。

DX化支援の需要急増

デジタル化が遅れている中小企業のDX推進支援は、今後最も成長が期待される分野の一つです。ITと経営の両方を理解できる中小企業診断士は重宝されます。

政府の中小企業支援策の拡充

国は中小企業支援に力を入れており、補助金・助成金制度も充実しています。これらの制度活用支援で中小企業診断士の需要は高まっています。

AIに代替されにくい仕事

経営コンサルティングは人間の創造性、コミュニケーション能力、判断力が重要で、AIには代替されにくい職業とされています。

現役診断士の6割以上が「需要は伸びる」と予想

実際に現場で働いている中小企業診断士に「今後の需要はどうなると思うか？」と聞いたところ、61%の人が「伸びると思う」と回答しています。現場感覚としても将来性は明るいということですね。

※将来性データ出典
一般社団法人中小企業診断協会「中小企業診断士活動状況アンケート調査」（令和3年5月）

試験の基本情報

ここからは中小企業診断士の試験がどんなものなのかを簡単に説明していきます。

合格のポイントはどんなところで、どんなところに力を入れて学習すべきなのか、合格までの道筋を少しでもイメージしていただけたらと思います！

受験資格

中小企業診断士試験に受験資格はありません。年齢・学歴・経験は一切関係なく、やる気があれば誰でも挑戦できます。

しっかり勉強して合格レベルの実力を身につければ、実務経験などがなくても合格を狙えます！

試験概要

試験日程・受験料

項目	一次試験	二次試験（筆記）	二次試験（口述）
試験日	例年8月上旬、土日2日間	例年10月下旬、日曜日	例年1月下旬、日曜日
受験料	14,500円	17,800円	同左に含む
申込期間	例年4月下旬〜5月下旬	例年8月下旬〜9月中旬	筆記合格者が対象
合格発表	例年9月上旬	例年1月中旬	例年2月上旬
試験会場	札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡、那覇	札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡	同左

出題科目・出題形式

合格基準

科目合格制度について

一次試験には科目合格制度があります。6割以上得点した科目は3年間有効で、翌年以降免除申請が可能です。

ですが免除申請するかどうかの判断は慎重に。得意科目を免除申請すると逆に不利になる可能性があります。

例えば「経済学・経済政策」を科目免除申請した人が以下の得点だったとします。

この場合は全体で6割に満たないので不合格ですね。

仮に経済学・経済政策を科目免除申請せずに受験して7割取れていたとすると合格点に乗ります。

というわけで、免除申請するかしないかの判断は慎重に。

どのくらい難しいの？

最新の試験結果（令和6年度）

試験	受験者数	合格者数	合格率
一次試験	18,209人	5,007人	27.5%
二次試験	8,080人	1,516人	18.7%

過去5年間の合格率推移

最終合格率は約5-8%

一次と二次を合わせた最終合格率は約5-8%と、10人受けて1人未満しか受からない難関試験です。

どのくらい勉強が必要？

中小企業診断士試験の合格に必要な学習時間は1,000時間と言われています。

これを期間で表すと以下の通り。

• 平日2時間×土日5時間ずつ勉強→約6ヶ月
• 平日1時間×土日3時間ずつ勉強→約9ヶ月
• 短期集中で1日5時間→約3ヶ月

他の人気資格と比べると以下の通りです。

• 宅建士：400時間
• 行政書士：600～800時間
• 中小企業診断士：1,000時間
• 社労士：1,000時間
• 公認会計士：4,000時間

働きながらでも1年間コツコツ続ければ十分合格可能な勉強量ですね。

効率的な合格方法

結論：予備校・通信講座を使いましょう

中小企業診断士は合格率5-8%の難関試験です。独学でも合格は可能ですが、挫折率を下げるためにも、効率よく学習できるカリキュラムが組まれている予備校・通信講座の利用をおすすめします。

予備校がおすすめな理由は以下です。

時間を無駄にしないで済む
どこが試験に出やすいか、どの順番で勉強すれば効率的か、ということに悩んで時間を使ってしまうのは、もったいないです。予備校ならカリキュラムに沿って進めていくだけでいいので、純粋に勉強だけに時間を使えます。

最新情報がもらえる
法律は毎年少しずつ変わるので、最新の情報を入手することが重要です。法改正があった部分からは出題される可能性が高いですからね。予備校なら最新情報も教えてもらえます。

分からないことをすぐ聞ける
独学だと、わからないことが発生したときに自分で調べて解消しないといけません。それが結構時間がかかって大変。予備校なら質問できるので、つまづいてもすぐに解決できます。

二次試験の記述対策ができる
独学では最も困難なのが二次試験の記述対策です。「正しい答案が書けているか」「論理的な構成になっているか」は第三者に見てもらわないと分かりません。予備校なら添削指導で記述力を確実に向上させられます。

挫折しにくい
1,000時間の勉強を一人でやり抜くのは相当大変です。予備校なら学習スケジュールを管理してくれるので、モチベーションを維持しやすくなります。

どの予備校を選べばいい？

予備校選びで重要なのは以下の5つです。

詳しい予備校比較については、以下で徹底的に分析しています。

→ 中小企業診断士予備校おすすめ5選をガチ比較【合格実績・費用・評判を徹底調査】

よくある質問

Q1: 全くの初心者でも受験・合格できる？

できます！

中小企業診断士試験に受験資格はありません。年齢・学歴・経験は一切関係なく、やる気があれば誰でも挑戦できます。

実際に、経営経験がない人でも合格しています。予備校の講義は初心者向けに作られているので、「経営って何？」レベルからでも大丈夫です。

Q2: 働きながらでも合格できる？

できます！

令和6年度の合格者平均年齢は35歳で、バリバリ現役世代の受験者が多いです。

「忙しくて勉強時間が取れない」という人こそ、予備校の効率的なカリキュラムが役に立ちます。

Q3: 独占業務がないのに取得する意味はある？

あります！

確かに中小企業診断士には独占業務がありませんが、以下のメリットがあります。

Q4: 年収1000万円は現実的？

可能です！

現実的には「まずは会社員で500-800万円の安定収入」を目指し、経験を積んで人脈を作ってから独立を考えるのが堅実です。

Q5: AIに仕事を奪われる心配はない？

心配ありません！

中小企業診断士はAIに代替されにくい職業とされています。2017年の日経新聞では、野村総研とオックスフォード大学の共同研究で「AIによる代替可能性が最も低い士業」として紹介されました。

むしろAIを活用することで、データ分析や資料作成が効率化され、より高度なコンサルティングに集中できるようになります。

まとめ

中小企業診断士はこんな資格

項目	評価	理由
将来性	◎	中小企業の課題増大・事業承継需要で確実に需要増加
収入	◎	会社員500-800万円、独立で1000万円以上も可能
難易度	△	合格率5-8%の難関だが、1000時間で合格可能
安定性	○	国家資格でAIに代替されにくく継続的な需要あり

こんな人におすすめ

• 経営に興味がある人：幅広いビジネス知識が身につく
• 人と話すのが好きな人：クライアントとの信頼関係作りが大切
• 問題解決が得意な人：企業の課題解決が主な仕事
• 将来独立したい人：実力次第で高収入も目指せる
• 安定した将来性を求める人：需要増加が確実

最後に

中小企業診断士は、これからの日本に確実に必要とされる資格です。中小企業の課題が複雑化し、事業承継やDX化の需要が急増する中で、専門知識を持った人の需要は間違いなく増えます。

1,000時間の勉強は大変ですが、それだけの価値がある資格です。多くの人が働きながら合格しているので、あなたもきっとできます。

そして効率的な合格を目指すなら、予備校選びが最重要です。実績豊富な予備校なら、最短距離で合格まで導いてくれます。

→ 中小企業診断士予備校おすすめ5選をガチ比較【合格実績・費用・評判を徹底調査】

あなたの中小企業診断士合格を心から応援しています！