こんにちは、元公務員のまさちゃんです。
今回は公務員試験の行政学について、「捨てていいのか」という疑問に答えつつ、効率的な対策法や科目選択のポイントを徹底解説していきます。
「行政学って範囲が広くて難しそう…捨ててもいいのかな?」
「行政学を勉強する時間があったら、他の科目に時間をかけたほうがいいんじゃない?」
「そもそも行政学って公務員試験でどれくらい重要なの?」
こんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
確かに行政学は、公務員試験の中でも範囲が広く、なじみのない用語も多い科目です。「捨ててしまおうかな」と考える受験生も少なくありません。
実は、僕自身も公務員試験を受験したときに行政学を捨てるか悩んだ経験があります。結論から言えば、受験する試験区分や自分の得意不得意によっては、行政学を捨て科目にすることも十分検討に値します。
この記事では、行政学を捨てるべきかどうか、効果的な勉強法や対策のコツを詳しく解説していきます。
読み終わる頃には、行政学への向き合い方が明確になり、効率的に得点アップを目指せるはずです。それでは、さっそく本題に入っていきましょう!
公務員試験における行政学の位置づけ
まずは、公務員試験での行政学の位置づけについて確認しておきましょう。
行政学は、政府の仕組みや動き、組織、政策など行政組織の運営方法について学ぶ科目です。公務員として働く上で、基礎知識となる科目の一つです。
試験の種類によって多少の違いはありますが、だいたい以下のような配点になっています。
・国家総合職:5問/40問(選択)
・国家一般職:5問/40問(選択)
・特別区:5問/40問(選択)
・地方上級:2問/40問(必須)
・市役所:2問/40問(必須)
つまり、専門試験全体の約5〜12.5%を占める科目ということです。
行政学は捨てるべき?科目選択のポイント
では、行政学を捨てるべきかどうか、科目選択のポイントについて詳しく見ていきましょう。
結論から言えば、行政学を捨て科目にするかどうかは、以下の3つのポイントを考慮して判断するのがよいでしょう。
1. 受験する試験区分
2. 自分の得意不得意
3. 他の科目との相対的な重要度
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 受験する試験区分
地方上級試験や市役所試験では行政学が必須科目になっているため、完全に捨てることはできません。一方、国家総合職、国家一般職、特別区試験では選択科目となっているので、捨て科目の候補になり得ます。
2. 自分の得意不得意
行政学が得意な人は、積極的に対策して得点源にしましょう。苦手な人は、他の得意科目でカバーすることも検討できます。
3. 他の科目との相対的な重要度
憲法、民法、行政法などの主要法律科目や、マクロ経済学、ミクロ経済学などの経済系科目と比べて、行政学は相対的に重要度が低いと言えます。これらの主要科目の対策に時間を割きたい場合、行政学を捨て科目にすることも一つの選択肢です。
例えば、以下のようなケースが考えられます。
・地方上級試験が第一志望の場合
必須科目なので、最低限の対策は必須です。2問という少ない出題数なので、効率的に対策しましょう。
・国家一般職や特別区が第一志望の場合
選択科目ですが、5問出題されるため一定の重要度はあります。他の選択科目と比較して、自分の得意不得意を考慮しつつ、行政学を選択するかどうか決めましょう。完全に捨てるのではなく、最低限の対策をしておくのも一案です。
・国家総合職が第一志望の場合
選択科目ですが、難易度が高いため十分な対策が必要です。他の選択科目との兼ね合いを考えて、行政学を選択するかどうか慎重に判断しましょう。時間的余裕がない場合は、捨て科目にすることも検討に値します。
これらの点を考慮して、科目選択を行うことが重要です。
ちなみに、僕自身は国家一般職の試験を受けたとき、行政学を選択しませんでした。勉強はしたんですが、本番では財政学・政治学・行政学の3科目のうち2つを選択する作戦を立てていました。結果的に、憲法・民法(2科目)・行政法・ミクロ経済学・マクロ経済学・財政学・政治学を選択しました。
これは、当日の問題の難易度を見ての判断でした。行政学を完全に捨てたわけではありませんが、試験本番では他の科目を選択するという戦略をとったわけです。
もちろん行政学が簡単だったら、行政学を選択していたことでしょう。こんな感じで、基本的な部分だけでも学習しておくことで、試験を有利に運べる可能性も高まりますよ。
捨て科目については以下の記事にまとめているので、こちらも参考にしてみてください。
行政学の出題範囲と頻出分野
行政学の出題範囲は広いですが、頻出分野はある程度決まっています。効率的に対策するために、これらの分野を中心に勉強しましょう。
行政学の主な出題分野は以下の5つです。
1. 行政の組織
2. 行政の管理
3. 行政の活動と統制
4. 地方の行政
5. 行政学の理論
これらの中でも、特に重要な頻出テーマを見ていきましょう。
1. 行政の組織
・官僚制の特徴と問題点
・行政組織の構造と機能
・中央省庁と外局の関係
2. 行政の管理
・政策決定過程
・予算編成過程
・人事管理システム
3. 行政の活動と統制
・行政改革の歴史と内容
・規制緩和と民営化
・情報公開と行政の透明性
4. 地方の行政
・地方分権改革
・地方自治制度
・地方財政
5. 行政学の理論
・新公共管理(NPM)
・ガバナンス論
・政策評価
これらの分野は、ほぼ毎年のように出題されるので、行政学を勉強する場合は重点的に対策する必要があります。
行政学を捨てずに勉強する場合の効率的な勉強法
行政学を捨てずに勉強する場合、以下のSTEPで効率的に学習を進めることができます。
STEP1:全体像と基本の把握
まずは、スーパー過去問ゼミを一通り読んで、行政学の全体像と基本的な知識を把握しましょう。この段階では深く考えすぎず、「こんな内容があるんだな」程度の理解で構いません。目次を眺めたり、各章の概説を読んだりするだけでも十分です。
STEP2:頻出分野の理解
2周目では、頻出分野を中心に理解を深めていきます。スーパー過去問ゼミの中で重要度が高いとされている問題や、過去の出題実績が多い分野に注目しましょう。この段階では、問題を解きながら、解説をしっかり読んで理解を深めていきます。
STEP3:細かい論点の学習
3周目以降は、これまであまり手をつけていなかった細かい論点にも取り組みます。スーパー過去問ゼミの中の★マークが少ない問題なども、時間の許す限り取り組んでみましょう。ここまでくれば、行政学の全体像がかなり見えてくるはずです。
STEP4:過去問での実践
ある程度知識が身についたら、実際の過去問を使って演習を行います。時間を計って本番と同じ条件で解くようにしましょう。この段階で、自分の弱点や苦手分野が明確になってきます。間違えた問題や自信がなかった問題は、しっかりと見直して理解を深めましょう。
STEP5:細かい知識のインプットと時事問題対策
最後に、スーパー過去問ゼミに載っていなかった細かい知識をインプットします。過去問を解いていく中で出てきた新しい用語や概念を、インターネットや行政学の教科書などを使って調べていきます。
このSTEPで学習を進めることで、効率的に行政学の知識を身につけることができます。ただし、自分の学習ペースや得意不得意に合わせて、適宜調整していくことが大切です。例えば、特に苦手な分野があれば、その部分により多くの時間をかけるなど、柔軟に対応していきましょう。
また、行政学は他の科目(政治学など)と関連が深いので、これらの科目と並行して学習を進めると、より効果的に理解を深めることができます。時間に余裕があれば、科目横断的な学習も検討してみてください。
行政学のおすすめ参考書・問題集
行政学の勉強には、適切な参考書や問題集を選ぶことも重要です。ここでは、僕が実際に使って効果的だった教材を紹介します。
おすすめの参考書・問題集
『公務員試験 新スーパー過去問ゼミ 行政学』
これが僕のおすすめです。豊富な過去問と丁寧な解説が魅力で、重要度も明記されているので、効率的に学習できます。レジュメも充実しているので、これ1冊で行政学の対策がほぼ完結します。
独学で行政学を攻略するなら、このスーパー過去問ゼミを中心に勉強を進めるのが最も効果的だと僕は思います。
ただし、行政学は難しい科目なので、独学だけでは理解が難しい部分も出てくるかもしれません。そんなときは、通信講座の利用をおすすめします。
通信講座のメリット
・専門家による丁寧な解説が聞ける
・質問ができるので疑問点をすぐに解決できる
・隙間時間を活用して効率的に勉強できる
・予備校に通うよりも安く済む
特に行政学のような暗記が多い科目は、通信講座を活用することで理解度が格段に上がります。
僕が受験生だった頃は予備校に通いましたが、先生の具体例やマニアックな話が、理解を深めるのに役立ちました。本番では選択しませんでしたが、楽しく学べたのでとても満足しています。ありがとう、先生。
今はコロナ禍を経て通信講座も充実してきているので、今から講座を受講するなら、わざわざ予備校に通わずに通信講座で十分ですね。
よくある質問(FAQ)
最後に、行政学の勉強に関してよくある質問とその回答をまとめておきます。
Q1. 行政学は暗記が多くて大変そうですが、どう勉強すればいいですか?
A1. 行政学は確かに覚えることが多い科目ですが、ただ暗記するだけでは効果的ではありません。重要なのは、行政組織や制度の背景にある考え方を理解することです。
具体的な事例を想像しながら学習すると、理解が深まり記憶に定着しやすくなります。例えば、行政改革について学ぶ際は、実際の政策がどのような影響を与えたかを考えてみるといいでしょう。
また、関連する概念をまとめて覚えるのも効果的です。
Q2. 行政学はいつから勉強を始めればいいですか?
A2. 行政学の勉強開始時期は、主要科目の学習状況や全体の試験対策スケジュールによって変わってきます。
一般的には、憲法や行政法といった法律系科目、そして経済学などの主要科目の基礎固めを終えてから、行政学の勉強を始めるのが良いでしょう。これらの主要科目は出題数も多く、得点への影響が大きいため、まずはこちらを優先的に学習することをおすすめします。
また、行政学は政治学との関連性が高いので、政治学と並行して勉強を進めるのも効果的です。両科目には重複する内容も多いため、同時期に学習することで効率よく知識を身につけることができます。
Q3. 行政学の勉強にはどのくらいの期間が必要ですか?
A3. 行政学の勉強期間は、集中的に取り組むなら1ヶ月程度が目安です。この期間で基本的な概念や重要理論を押さえ、過去問演習を中心に学習を進めるのが効率的です。
行政学は範囲が広いので、細かいところまで追い始めるとキリがありません。1ヶ月程度で仕上げるのがベストかと思います。それ以上の期間をかけるのは、他の重要科目の学習時間を削ることになるので、あまりおすすめできません。
Q4. スーパー過去問ゼミだけで行政学の対策は十分ですか?
A4. スーパー過去問ゼミはとても良い教材ですが、それだけで完璧というわけではありません。特に難しい概念や応用問題については、通信講座などを併用することで、より確実な理解につながります。
ただし、時間や予算に制約がある場合は、スーパー過去問ゼミを中心に勉強しても十分な対策になります。
Q5. 行政学の勉強のモチベーションが上がりません。どうすればいいですか?
A5. 行政学は日常生活や社会の仕組みと密接に関わる学問です。学んでいる内容が、実際の行政や社会にどのように適用されるのかを考えながら勉強すると、興味が湧きやすくなります。
また、将来公務員として働くことを想像しながら勉強するのも効果的です。行政学の知識は、実際の業務でどのように活かされるのか、イメージしながら学習を進めると、モチベーションが上がりやすいでしょう。
やる気が出ない、モチベーションが上がらないときの対処法は、以下の記事にまとめています。参考にしてみてください。
まとめ
ここまで、公務員試験における行政学の位置づけと、捨て科目にするかどうかの判断基準、効率的な学習法について解説してきました。重要なポイントをまとめます。
1. 行政学は試験区分によって重要度が異なり、捨て科目にするかどうかは慎重に判断する必要がある
2. 行政組織、行政管理、政策過程、地方自治が主な出題範囲だが、時事問題にも注意が必要
3. スーパー過去問ゼミを中心に、効率的な学習を心がける
4. 暗記だけでなく、行政の仕組みや背景を理解することが大切
5. 政治学など関連科目との横断的な学習も効果的
行政学は範囲が広く、学習量も多い科目です。しかし、適切な学習戦略を立てることで、十分に攻略可能な科目でもあります。
重要なのは、自分の志望する試験区分や得意不得意を考慮して、行政学にどの程度力を入れるか判断することです。必須科目である場合はもちろん、選択科目であっても最低限の対策は必要でしょう。一方で、他の主要科目に時間を割きたい場合は、思い切って捨て科目にすることも検討に値します。
どちらを選択するにせよ、この記事で紹介した効率的な学習法を参考に、自分に合ったペースで学習を進めてください。行政学の知識は、試験に合格した後も、公務員として働く上で役立つ可能性があります。
公務員試験は長期戦です。行政学だけでなく、他の科目とのバランスを取りながら、計画的に勉強を進めていきましょう。皆さんの努力が実を結び、希望の職に就けることを心から応援しています。頑張ってください!
追伸
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また、この記事を読んで公務員になりたいと思った方には、「公務員になるには【半年で安定を勝ち取るために今あなたがやるべきこと】」の記事が参考になるかと思います。
僕の元公務員としての経験や、現在のキャリアアドバイザーとしての知識をもとに書きました。
「将来が不安だなぁ…」と漠然と感じていた20代の僕を救い出してくれたのが公務員試験です。公務員試験への感謝の気持ちも込めて書いた記事です。
過去の僕と同じように将来に不安を感じている多くの方に、この記事が届くことを願っています。
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